7月17日、講師の仕事で八王子城跡へ出かけてきました。この講座は歩くことよりも
自然観察がメインなので、バス停からの道草にずいぶん時間をとられてしまいました。
アオバトやリュウキュウサンショウクイの声をBGMに、小さな虫たちや草木をじっくりと
観察しながら“亀の歩み”で散策を行いました。出会った昆虫や植物の一部を紹介します。
流れのそばで、「みちおしえ」と呼ばれることもあるハンミョウを数匹見つけました。
飛んでは止まって・・を繰り返す動きが独特で、道を教えてくれているというよりも、
近くで見ようとする私たちをおちょくっているかのようです。虫に遊ばれるのも観察の
醍醐味の一つなんですが笑。久しぶりに見るハンミョウの美しさにしばし魅了されました。
アゲハの仲間が何匹も沢の水を求めて吸水に訪れていました。(写真はミヤマカラスアゲハ)
沢筋の湿った林床には竹や枝が積んであり、オオオバボタルやカメノコテントウ、そして
たくさんのヒメナガニジゴミムシダマシがいました。虹色に輝くとても美しい甲虫です。
葉上にいたツートンカラーのハムシはカシワツツハムシでしょうか。ジャケツイバラの
予備芽やトゲを観察していた時、ふと枯れ竹の上の小さな物体が目に入りました・・!
低山地性のカマキリ類の卵鞘です。調べてみると、どうやらヒメカマキリのようです。
期待していたカミキリムシ類は不発でしたが、参加者のお一人がコバネカミキリを発見。
上翅が、体の半分くらいのところで途切れているのがとても個性的なカミキリムシです。
分布が広く、個体数も多い種類のようですが、長池公園ではまだ見たことがありません。
2枚目は定番のアカハナカミキリ、3枚目は高尾駅前にいたキマダラミヤマカミキリです。
その他の昆虫。順に、マクガタテントウ、トホシオサゾウムシ、オジロアシナガゾウムシ、
アケビコノハ、マスダクロホシタマムシ(翅)、ナガメです。7~9枚目は、イネ科の雑草に
集まっていたカメムシ類(ウズラカメムシ、シラホシカメムシ、クモヘリカメムシ)です。
何が美味しいのか不思議でなりませんが、花穂につかまって吸汁に明け暮れていました。
植物も印象に残った種類を紹介します。ヘンペイソウ、ウズラバタンポポ、ボタンクサギ、
トキホコリ、アワゴケ、ヤマミゾソバ、ムラサキニガナ、ツヅラフジ、チドリノキです。
1~3枚目は外来種で、それ以外は在来の種類になります。以前と比べて、トキホコリの
個体数がかなり増えていました。市内での自生地は多くないので、嬉しい限りです。
八王子城跡は学生時代からよく通ったフィールドの一つで、たくさんの思い出があります。
ネズミをくわえたホンドテンと鉢合わせしたり、冬虫夏草のカメムシタケを掘り出したり、
沢でカジカを捕まえたり・・。最近は野鳥撮影で賑わうようになり、少し足が遠のいて
いました。久々に訪れてみて、改めて、生き物豊かなこの地の魅力を再確認できました。