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ヤナギイノコヅチとキバラヘリカメムシ

8月20日、出先で少し時間ができたので、都筑中央公園(横浜市都筑区)を訪れました。

駅から近く、周囲を住宅地に囲まれた立地にも関わらず、雑木林と谷戸を主体とする

里山景観が広がっていました。小一時間の散策で、その豊かさを味わうことができました。

歩き始めてすぐに出迎えてくれたのは、ヤナギイノコヅチというヒユ科の植物です。

“ひっつき虫”でおなじみのイノコヅチ(ヒカゲイノコヅチ)とそっくりなのですが、

葉が“ヤナギ”の葉のように細長く伸びるので、一度見慣れると目に入るようになります。

この植物、由木周辺では1ヶ所でしか見つかっておらず、多摩丘陵では希少な存在です。

八王子市域の分布は滝山丘陵など北東部に偏っており、跳んで神奈川県の相模原台地を

中心とするエリアに多産し、座間谷戸山公園や大和市泉の森でも見たことがあります。

「神奈川県植物誌2018」によれば、横浜市では都筑区が唯一の自生地で、県内分布の東限に

なっているようです。このように飛び石的な分布をする植物は、場所によっては雑草の

ようにたくさん生えているため、その希少価値が認識されづらいのがネックです。

地域ごとに刊行されている植物誌などを参考に、広い視点で見ることも大事ですね。

園内のマユミの木に群がっていたのはキバラヘリカメムシ。マユミをはじめ、ニシキギや

コマユミなどニシキギ科の果実に集まり、汁を吸う習性があります。

これらの木では必ずといっていいほど見つけることができる、身近なカメムシです。

カメムシといえば“くさい臭い”を連想する方がほとんどだと思いますが、このカメムシは

青りんごそっくりの“いい香り”がすることでも知られています。ぜひ嗅いでみて下さい。

こちらは幼虫。正面から見るとかっこいい形ですね。葉っぱの上で順番待ちでしょうか?

ニュータウンの一角に残された里山であること、面積約20haの中に谷戸田や炭焼き施設が

配置されていること、NPOが指定管理者を担っていることなど、長池公園との共通点も

多い都筑自然公園。今度は時間をとってじっくり学びに伺いたいと思います。


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