11月9日、自然館近くのウッドデッキでツルグミが満開です。自然館から芝生広場方面へ
下りる階段のそばに蔓を伸ばしています。鈴なりに咲いている様子は壮観なのですが、
それほど派手な花ではないこともあり、ほとんどの方が気付かずに素通りしています。
グミの仲間は虫媒花ですので、この地味な花にいったいどんな昆虫が来ているのか
気になって観察してみました。花の前でじっとしてから数十秒後、辺り一面に
“ふわ~っ”と百合のような甘い香りが漂ってきました。とても心地の良い香りです。
通り過ぎるだけでは気が付かなかったのですが、こんなに香る花だったなんて・・!
花の香りに誘われるように、昆虫たちも姿を現しました。まず目に付いたのはこちらです。
可愛いハチだなと思って近寄ると、顔がハチではなく「アブの眼」だったのでびっくり!
ツマグロコシボソハナアブというアブの仲間です。腹部の質感も漆器っぽくて素敵ですね。
ホバリングしながら飛び回っていましたが、一度花に止まるとずいぶん長居していました。
吸蜜後に葉の上でゆっくり休んでいたのはツマグロキンバエです。他の花でもよく見ます。
偶然にも、最初に現れた訪花昆虫がどちらも“ツマグロ”だったので、覚えられそう・・
余談ですが、昆虫界では“ツマグロ”と付く昆虫が多いのが不思議ですね!それも、
ツマグロヒョウモン、ツマグロオオヨコバイ(バナナ虫)など、身近な種類ばかりです。
対して、植物では全く使われない表現だと思います。“フシグロ”はありますけれどね。
カメムシの仲間(未同定)も何匹かやってきていました。よく見ると色々いて楽しいです。
そのまま築池畔まで降りてぐるっと一回りしてみました。秋の里山は色とりどり。
写真は順に、エビヅル、トキリマメ、ガマズミ、コウテイダリア、カキ、アキアカネです。
さて、今日は専門学校東京テクニカルカレッジの自然環境保全実習(4日目)を行いました。
テーマは「インタープリテーション」ということで、園内の解説板を調査したり、来週の
小学校向けプログラムに向けた準備を進めたりと、今回も熱心に取り組んで下さりました!