10月8日、先日までの猛暑が嘘のように、日中でも肌寒く感じるほどの気候になりました。
堀之内番場公園を散歩していると、大栗川の旧流路に沿って作られた水路(水たまり)の
ほとりにウシハコベが咲いていました。湿っぽいところが好きで、カンカン照りのアスファ
ルトなんかには決して生えません。また、この仲間ではもっとも遅い時期まで花を見ます。
葉っぱはタデの仲間かと思うほど大きく、相対的に花が“小顔”に見えて気品を感じます。
ハコベの仲間は5枚の花びらが深く切れ込んで、10枚あるように見えるのが共通の特徴。
一般的なハコベ(コハコベとミドリハコベ)との決定的な違いは、花柱が5個あることです。ハコベの花柱は3個なので一目瞭然。ただこの特徴は近くでよく見ないとわからないので、
必然的にかがんで顔を近付けることになります。そこであることに気が付くはずです。
それは香りです。あまり知られていませんが、ウシハコベの花には微かに芳香があります。
私の知る限りでは、このことを記した図鑑や本はほとんど無く、香りのある植物だけを
集めたある図鑑(現在は絶版)に、「本を書くにあたり、手当たり次第、雑草を嗅いでいたら
ウシハコベの花が香ることを発見した」というニュアンスのことが書かれていたことから、
私も試してみたのです。実際にウシハコベの花はどの子も香りがあることがわかり、
以来、見かける度に花を嗅ぐようになりました。観察のきっかけを作ってくれたこの本は、今も愛読しています。私も皆さんに観察のきっかけを提供できていたら良いのですが・・!
9月27日の記事で話題に取り上げた「チュウゴクアミガサハゴロモ」がたくさんいました。
不思議なもので、この昆虫もメールがきっかけとなり、それからというもの、あちこちで
目に留まるようになりました。こんなに身近な存在だったとは・・ひたすら驚きです。
車検の待ち時間、30分程度の散歩でしたが、秋を感じるシーンとたくさん出会えました。
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