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こぼれ種

4月21日、今週は季節の進行が一気に加速したこともあり、私の自然観察レーダーは

ずっと鳴りっぱなし。仕事も忙しい時期だけに、もどかしく過ごした1週間でした。

この日は休みでしたが、長池公園では初記録となるコマドリの囀りが確認されたそうです。

場所は特別保全ゾーン内。別のスタッフが声を録音しており、情報提供してくれました。

先日17日の講座で、近年急増中の外来植物、コゴメイヌノフグリを観察している時に、

「どうしてこんなに増えるのだろう?」と皆さんの中で考察談義が繰り広げられました。

すると参加者の一人が、アスファルトの隙間にこぼれ落ちた種子を見つけてきました。

手にとってみると、なるほど、種子のくぼみには大きな白い物質がくっ付いています。

これはアリたちが好む甘い誘惑、エライオソームに違いありません。一つの果実には

4つの種子が入っていて、数としてはオオイヌノフグリの18個と比べてだいぶ少なめ。

その代わり、種子自体が大きいので目立ちますし、食べ応えもそれなりにありそうです。

コゴメイヌノフグリもオオイヌノフグリ同様に自家受粉によってバンバン種子を生産すると

推測されるので、種子の大量生産とアリ散布の組み合わせでどんどん増えるのでしょう。

・・ということで、今週の記事で取りこぼしていた“こぼれ種”な話題を他にもいくつか。

こちらの羽は、先の講座の集合時に参加者の一人が京王線の高架下で拾ったものです。

この場所はイワツバメの巣を乗っ取る形でヒメアマツバメが営巣しているので、落とし主が

ヒメアマツバメであることはすぐにわかりました。調べてみて驚いたのはその部位です。

翼の下側に並ぶ風切羽の一つで、次列風切(中央付近の数枚)という部位の羽でした。

小鳥の風切羽は、どの種類もだいたい同じ大きさと形をしています。特に先端の初列風切と

次列風切の長さはそれほど変わらないのが普通です。ところがヒメアマツバメではそれらの

長さが極端に異なっており、この羽がまさか次列風切だとは思ってもみなかったのです。

長年、様々な野鳥の羽を拾い集めてきた中で、こんなに短い次列風切は初めて見ました!

2枚の羽から、改めて、飛ぶことに特化した鳥の構造上の特殊さを実感したのでした。

難しい話はこれくらいにして、私のマヌケな顔とマヌケな笛の音をお楽しみ下さい笑。

水の入る前の田んぼに群生しているスズメノテッポウ、通称“ピーピー草”の先端の穂を

抜き取り、葉を下に折りたたんで吹いています。葉舌という白い膜がリード代わりになって

「ピーピー」となんともいえない音が出るのです。ぜひ皆さんも遊んでみて下さいね!

おまけ。アカメガシワの可愛いスタンプです。赤い粉を吹いた若葉を紙に挟んで擦るだけ。

若葉を指で擦ると色が変わる“イリュージョン”を披露したら、参加者が「こんなのも

できるよ~」と教えてくれました。いいこと教えてもらってばっかりな今日この頃です!

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