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浅川で鳥見さんぽ

2月21日、霧雨のぱらつく中、講師のお仕事で浅川河川敷を歩いてきました。

長沼駅から歩き始め、橋を渡って左岸を上流方面へ。北野環境学習センターを目指します。

湯殿川との合流点で早速登場したのは3羽のキジ(全て雄)です。雄どうしが対峙し、互いに

牽制し合っているように見えました。これから恋の春に向けて、騒がしくなりそうですね。

用水路沿いのメダケ群落や、堤防草地で咲き始めたヒメウズなどに目を向けつつも、やはり

水辺のヨシ原に潜む小鳥たちが気になり、一羽一羽チェックするのでなかなか進みません。

ホオジロ、アオジ、カワラヒワなどがほとんどですが、この辺りでは過去にチフチャフ、

コホオアカなどの珍しい鳥も見つかっているので侮れません。決して無駄ではないのです。

そして、思いがけずにその努力が報われました。遥か遠くの中州の樹上にアリスイを発見!

講座の冒頭、冗談まじりにアリスイを見つけたいと抱負を語っていたのでびっくりです。

私にとっては、以前一度だけ観察したことのあるアリスイですが、その時は偶然の出会い。

じっくり見る前に飛んでいってしまいました。それから縁が無く、自力で見つけたい野鳥の

一つとしてずっと頭の片隅にあった思い入れのある存在。それだけに喜びも一入でした。

今回は距離があって、私の機材では蜃気楼のような写真しか撮れなかったのが残念ですが、

皆さんとフィールドスコープで観察できたこと、そして、受講者が素晴らしいカットを

撮影してモニター越しに見せて下さったこと(3枚目)、もうそれだけで十分満足です!

河畔林では、オニグルミの食痕(ネズミ)や葉痕、ハリエンジュの葉痕、サイカチの刺など、

冬でも楽しめる観察対象がたくさんあり、時間が経つのもあっという間に感じられました。

受講者の一人が猛禽類の尾羽が散乱しているのを発見、さらに少し離れた草むらには

翼や脚の残る白骨化した死骸も見つかりました。真上に線路が通っていることもあり、

電車との接触事故(バードストライク)が疑われます。周囲にはカラスが集まっていました。

この時、特徴的な鷹斑とその大きさからオオタカだと推測していたのですが、持ち帰った

尾羽を計測したところ、長いもので32cmもあり、模様とサイズからトビであることが

判明しました。思わせぶりな解説をしてしまい、お恥ずかしい限りですが、トビの羽根も

揃った状態を見ることは滅多に無いので、持ち帰った尾羽は展示に活用したいと思います。

発見の連続に、降ったり止んだりの雨も気にならなくなり、結局、晴天時の到着予定時間に

目的地へと辿り着きました。北野環境学習センター内の生きもの展示室では、講座の一行を

素敵なスタッフの方々が迎え入れて下さりました。中には博識な小学生スタッフの姿も!

生きものへの愛情が伝わってくるような、優しさ溢れる解説に引き込まれました。

河川敷で野鳥や植物を観察したあとは、暖かい室内で水の中の生き物をじっくりと堪能。

事前の雨予報で、決行か延期か悩ましいところではありましたが、結果良ければ全て良し!

参加者の熱意と、展示室スタッフの皆さんのおかげでとても充実した一日になりました。

おまけ。長沼駅高架下にいたヒゲナガカワトビケラです。用水路から飛んできたのかな?

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