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「」に対する検索結果が487件見つかりました

  • シロイヌナズナとお花見

    3月31日、ゴミ捨てついでに近所の花壇へ。目的は、冬越しする雑草の葉っぱクイズの 答え合わせです。じつは1種類だけ、自信の無いものがあって、気になっていたのです。 クイズの模範解答に書いたのはシロイヌナズナ。思わず「やった!」と声をあげました。 その葉っぱがあった辺りに背伸びして咲いていたのは、紛れもなくシロイヌナズナでした。 タネツケバナと似た雰囲気ですが、茎の上のほうに葉っぱは付かず、すっきりしています。 ちなみにこちらが以前、出題した写真です。やはり葉の表面の毛に特徴がありますね。 写真ではわかりづらいのですが、2つに割れた毛が生えていて猫の舌のような質感です。 シロイヌナズナは、松木・堀之内周辺では特に幹線道路の中央分離帯や植え込みで 見かけることの多い外来雑草ですが、この場所では初めて見ました。今後、別所地区でも 目にする機会が増えてくるかもしれません。“猫の舌”を見かけたら要チェックです! 花壇ではベニバナツメクサが咲き始めていました。植え込みにはアシブトハナアブの姿も。 長池公園は、満開のヨウコウに吸い寄せられるかのように大勢の人で賑わっていました。 くわえて、芝生広場では子ども向けイベント(プレーパーク)が開催され、大盛況です。 私も家族で遊ばせてもらいましたが、気軽に参加できるイベントはありがたいですね! ところ変わってこちらは富士森公園の桜です。今年も「桜まつり」が開催されています。 縁日が立ち並び、多くの来場者で賑わっていました。ソメイヨシノもいつの間にか見頃に! 今年初の夏日となり、縁日の上を早くもナミアゲハが飛び交っていたのが印象的でした。 おまけ。自然館中庭巣箱のヤマガラは、引き続き順調に卵が増えています!

  • マメザクラ✕エドヒガン雑種群の見分け方

    3月30日、先日の記事でタマノホシザクラの開花について取り上げました。 タマノホシザクラは2004年に発表されたこの地域固有のサクラであり、ぜひ多くの方に 知っていただきたい植物です。よく似た早咲きの桜2種との見分け方をまとめてみます。 上から順に、タマノホシザクラ(雑種起源)、ヤブザクラ(雑種起源)、マメザクラです。 前2者はどちらもマメザクラとエドヒガンの雑種起源の種類で、分布が限られています。 ●タマノホシザクラ ・3月下旬から4月上旬に開花、芽吹きは開花よりもだいぶ遅れる ・花は中型、うっすらとピンクが入り、半開き(受け咲き)で開花する ・萼片は赤く、萼裂片が綺麗な二等辺三角形となり星形に見える、縁のギザギザはほぼ無し ・萼筒(花托筒)はやや膨らみ、花柄は短め ・花柱の毛は10本以上ある ●ヤブザクラ ・3月中旬から3月下旬に開花、芽吹きは開花よりもだいぶ遅れる ・花は大型、ほぼ真っ白で、全開で開花する ・萼片は緑や赤で変化があり、萼裂片は卵形で基部がくびれる、縁に鋭いギザギザがある ・萼筒(花托筒)は著しく膨らみ、花柄は短め ・花柱の毛は1~10本以内で少ない ●マメザクラ ・3月中旬から3月下旬に開花、開花後間もなく芽吹いて葉桜となる ・花は小型、ほぼ真っ白で、全開で開花する ・萼片は緑や赤で変化があり、萼裂片は卵状楕円形、ギザギザは無いかあまり目立たない ・萼筒(花托筒)は膨らまず、花柄は細長い ・花柱には毛が無い 花を失敬して並べてみました。左からヤブザクラ、タマノホシザクラ、マメザクラです。 萼片の形と大きさ、萼筒(花托筒)の形、花柄の長さなどに注目すると違いが見えてきます。 区別に迷う時は、ぜひ上記の特徴を一つ一つ確認してみることをおすすめします。 慣れれば遠くからでも見分けられるようになるので、桜博士を目指して頑張りましょう! コヒガンなどの栽培品種も含めて、より詳しく知りたい方は下記をご参照下さい。 多摩丘陵産 マメザクラ✕エドヒガン雑種群 近似種の検索表(2018) (h-yugi.org) 長池公園の桜あれこれ圧縮 (h-yugi.org) サクラマップ2024 (h-yugi.org) ところで、タマノホシザクラは多摩丘陵のごく限られた範囲の雑木林に自然分布していたと 推測されますが、開発が進んだ今、自生状態で見られるのは全個体の2割に過ぎません。 残りの8割は多摩ニュータウン区域内に隔離分布しています。そのいずれの生育地も 東京都が施工した公園緑地であり、UR施工の公園緑地では植栽品以外は全く見られません。 これは東京都が開発時に付近の雑木林から“ヤマザクラ”との認識で本種の幼苗や稚樹を 山採りしてきて緑化を行い、それらが図らずも生き残ってきたためだといわれています。 南大沢からとんで松が谷・鹿島に多く分布が見られることも、なるほど頷けますね! ※現在では施工主とは関係なく、生育する公園緑地を所轄する指定管理者はばらばらです。 最後にこの日のヤマガラ巣箱の様子です。順調に3卵目が産み落とされていました!

  • シジュウカラの巣材集めとタマノホシザクラ

    3月29日、昼頃まで強い風雨となり、作業は中止に。予想を超える雨量で、姿池の水位が 上昇し、せせらぎ緑道の一部で歩道が冠水してしまいました。流れを堰き止める落ち葉を 取り出したり、姿池の栓を全て開けたりと、公園スタッフ総出で対応に追われました。 夕方、巡回当番で松が谷方面を廻ってきました。雨上がりは鳥たちの動きが活発です。 シジュウカラ(雌)は、口いっぱいにコケの束を咥えて行ったり来たり。少し後を追って みると、ヤマザクラの大木に掘られたアオゲラの古巣が新居であることが判明しました。 広場に降りて採餌に忙しいカワラヒワです。時々枝に飛び乗っては、辺りをキョロキョロ。 雑木林の林床にはシュンランも咲いていました。少し見ないうちに季節が進んでいます。 大塚西公園の広場をはじめ、松が谷地区の各所でタマノホシザクラが開花していました。 長池公園でも近隣からの移植品が4本、花を咲かせています。この仲間の見分け方などは、 マメザクラ、ヤブザクラも含めて改めて取り上げたいと思いますので、少々お待ち下さい。 ところで、南大沢駅前のガレリアギャラリー(イトーヨーカドー5F展示スペース)では、 こんな企画が行われています。長池公園のタマノホシザクラの開花カウントダウンです。 公園スタッフが毎日、定点で写真を撮って、開花の様子を情報提供してきました。 20日に最初の花が咲きましたが、見頃を迎えた現在も、引き続き更新されているようです。 わくわくするような、連動企画のアイディアを出して下さった担当者に感謝します! おまけ。自然館中庭巣箱のヤマガラは、一日一卵ずつ、順調に産卵が進んでいます!

  • 続・野鳥観察日和

    3月28日、朝、自然館中庭巣箱でヤマガラの産卵(第1卵)が確認されました。これから 1日に1つずつ卵を産み続け、全ての産卵が完了すると抱卵が始まります。楽しみですね! さて、先日に引き続き、打ち合わせや研修の合間を縫って、園内の野鳥を観察しました。 先週から気になっていた場所へ行くと、予想どおり、エナガが巣材に使う羽毛を集めて 動き回っていました。ここにはキジバトの羽(オオタカの食痕)が散乱しているのです。 エナガが巣材集めに猛禽類の食痕を利用しているという話は、何度か記事にしています。 野生動物の巣穴とエナガの巣材運び (h-yugi.org) 続・タマノホシザクラ救出作戦 (h-yugi.org) 小さな羽毛はほとんどエナガに持っていかれて、もはや翼の羽や尾羽しか残っていません。 オオタカは肉を食べ、羽毛はエナガが巣材に使い、残った羽を私たちが収集する・・ なんだか生き物たちの繋がり合いの一部になった気がして、不思議な気持ちになります。 巣材集めに参加しているエナガの中に、尾羽がギュインと曲がっている子がいました。 これは狭い巣の中で、一方向に少しずつ回転しながら抱卵し続ける時にできる寝ぐせの ようなものですので、今シーズン、すでに抱卵を経験した個体の可能性が高いです。 ・・となると、なぜ今、巣材集めに参戦しているのでしょうか?色々考えてしまいます。 頭上で一斉に芽吹き始めたクヌギの梢にオナガが群れていました。よく見ると、どの子も 雄花序のかたまりを咥えています。写真は撮れませんでしたが、ツグミやヒヨドリも同様に 芽吹いたばかりのクヌギをついばんでいました。うーん、よほど美味しいのでしょうか? こちらはおなじみのヒヨドリですが、なんと、ウグイスカグラの花をまるごとパクリ! ヒヨドリは草木の花や葉っぱ、とにかくなんでも食べるイメージ。ウグイスカグラも じつに美味しそうな表情を浮かべながらパクついていたのでした。また一つ新発見です。 バス通り沿いのヨウコウ桜にも、花の蜜を求めてヒヨドリが大集合。とても賑やかでした。 大きな体を上手に折り曲げて、一つ一つの花に顔をうずめていきます。器用ですね~! 堂々としたヒヨドリには敵いませんが、メジロやシジュウカラも吸蜜に訪れています。 一気に咲き進み、鑑賞は今週末がラストチャンスでしょうか。まだの方はどうぞお早めに!

  • 野鳥観察日和

    3月27日、先日までの雨も落ち着き、朝から穏やかな春の日差しが降り注ぎました。 空高くツバメが鳴きながら飛び回り、ウグイスの囀りも聴こえてきて、春爛漫です。 見頃のカタクリやヨウコウ桜に吸い寄せられるように、長池公園は人で溢れていました。 そんな光景を上から見下ろして、目をまん丸くしていたのはキクイタダキという小鳥です。 長池左手の杉の茂みで、2羽が動き回っていました。彼らの小声には誰も気が付きません。 目がまん丸なのはもちろんデフォルトですが、つぶらな瞳で私を覗き込んでいました。 このあと、低空をオオタカの成鳥が飛ぶと、小鳥たちはさっと気配を消してしまいました。 しかし、なんといってもこの日のビッグニュースはこちらの出会いです。第一デッキ付近を 歩いていると、“フィッフィッ”と聞き覚えのある声が・・なんとベニマシコでした! 浅川や多摩川の河川敷、丘陵地の草地などでは決して珍しい鳥ではないのですが、 長池公園の園内で確認したのは十数年ぶりかもしれません。写真の雌を含め3羽いました。 残念ながら私はうまく写真に撮れなかったので、その場に居合わせた知人が撮影した写真を お借りしました。翼の特徴的な2本ラインもバッチリ写っていて、素晴らしい一枚です! 小群は、ながいけの道→築池→雑木林トレイルとせわしなく移動し、見えなくなりました。 北国への渡りの途中にふらっと立ち寄ってくれたのではないでしょうか。ラッキー! 参考までに、過去に浅川で撮影した雄のベニマシコです。雄はピンクが綺麗なんです。 また、みんなで長池公園にも遊びに来てくれますように! 昼休み、ご飯を買いに外へ出ると、車を停めた駐車場で朗らかな囀りが聴こえてきました。 短いレンズしか持っていなかったのですが、肉眼でもイソヒヨドリの雄だとわかりました。 この街でもすっかり住民権を獲得した感のあるイソヒヨドリですが、姿も声も美しく、 見かけるとつい観察してしまいます。ソングポストから飛び立ったあと、地上に降りて 何かを咥えていました。よく見るとカメムシでした。「へぇ~、それ食べちゃうの!?」 そんなことをつぶやきながら、結局、昼休みの大半をこの子と過ごしてしまったのでした。 お立ち台のキジバトと、この日輝いていた花々も少しだけ。アマナ、オランダミミナグサ、 ボケ、ヤブザクラ、クヌギです。クヌギの芽吹きは、黄色い雄花序がとても目立ちますね。 おまけ。大きなハチが飛んでいると思ったら、背中合わせで交尾したまま飛んでいる ビロードツリアブのペアでした。こんな格好で交尾するなんて、意外です!

  • ヤブサンザシ

    3月26日、訪れる人も少ない春霖(しゅんりん)の長池公園。傘を差して一回りしました。 昨日の記事にも書きましたが、雨の日の散策は出会いが多くてワクワクしてしまいます。 先週くらいからヤブサンザシが咲き始めました。雌花と雄花がそれぞれ異なる株に咲く 雌雄異株の植物で、長池公園のものは全て植栽品。自然館前の個体は相原産の雌株です。 バイモの咲いているそばや自然館外トイレ付近では、小山ヶ丘産の雄株も咲き始めました。 東京都では絶滅危惧ⅠA類に指定されるほど希少な樹木で、自生地はごく限られています。 自然館ではもともと雌株を移植栽培していましたが、数年前に小山ヶ丘の斜面林の藪の奥で 偶然見つけた雄株も仲間入りしました。ぜひ雌雄の花の違いを見比べてみて下さいね! 写真の上3枚は雌花で下3枚は雄花。雄花のほうが花柄が長く、花もより大きくなります。 ちなみに5つないし6つの花びらのように見える部分は萼裂片で、本当の花びら(花弁)は それらの間に見える黄色いヒレ。写真でもなんとか視認できますがわかりますでしょうか? こんなに小さな花びらなら、あっても無くても変わらないような気がするのですが・・。 今日は一日を通して、バス通り沿いのヨウコウの開花状況に関するお問い合わせが多数。 木によってばらつきはあるものの、所によっては八分咲きくらいまで咲き進んでいます。 明日27日のお天気次第では、早くもお花見日和となるのではないでしょうか。 人気のアーモンドも自然館中庭でまだまだ見頃。今までで一番たくさん花を付けています。 いつの間にか足もとのキランソウが花盛り。コブシは花の下から葉も顔を出してきました。 ながいけ橋の植え込みでは美しい芽吹きを見つけました。この羽状複葉はノイバラですね。 雨に打たれる植物たちの愛おしいこと。雨降り“だからこそ”、散策に出かけましょう! おまけ。専門学校東京テクニカルカレッジの学生グループが堀之内番場公園の竹を活用して 竹灯籠を製作し、キャンパスで展示を行いました。その協力の御礼に、こんな素敵な作品を 届けてくれました。「ようこそ長池公園へ」・・学生さんの粋な心遣いにグッときますね!

  • 菜種梅雨

    3月25日、今週はしばらく雨がちの天気になりそうです。3月下旬から4月にかけて降り続く 雨を「菜種梅雨(なたねづゆ)」といいます。梅雨のように長期間続くことはありませんが、 花が咲いて春めいてきたな!というタイミングで断続的に雨が降るので、予定を立てるのが 大変です。2月頃に降る「木の芽おこしの雨」を詠んだ俳句は、これから来る春に向けた ポジティブな気持ちを重ねたものが多いのに対して、「菜種梅雨」の俳句は、どちらかと いえば鬱々とした気分を詠んだ詩ばかりです。今も昔も、雨は人の心を映す鏡なのですね。 暦どおりの長雨を憂うか楽しむかはその人次第。私は雨の散策が結構好きかもしれません。 菜種梅雨と聞いて、雨に打たれる菜の花を拝みたくなりました。晴れの日の菜の花も良い ですが、雨粒を纏った菜の花も趣があります。こんなに素敵な姿を見せてくれました! つい花ばかりに目が向きがちですが、雑木林の木々の葉が順調に芽吹き始めています。 赤ちゃんとはいえ、成長した葉っぱの姿が想像できる見た目のものも多いので、推理して みるのはいかがでしょうか?写真は順に、ガマズミ、ヤマツツジ、ウワミズザクラです。 中央園路で満開となりつつあるマメザクラの花を観察していると、足もとにエナガが 飛んできてチョロチョロしていました。よく見ると、嘴に巣材に使う羽毛を咥えています。 鳥たちの繁殖も始まり、いよいよ生き物シーズンに突入。里山が賑やかになってきました。

  • ヨウコウとケスゲと観察会告知

    3月24日、長池公園のバス通り沿いの桜、ヨウコウがだいぶ咲き進んできました。 ヨウコウは、アマギヨシノとカンヒザクラを掛け合わせて作出された園芸品種の桜。 大きく育つことなくコンパクトな樹形の割に花付きが良く、その鮮やかな色彩も魅力です。 ところでこのヨウコウ並木、全部でいったい何本あると思いますか? じつは以前気になって本数を数えたことがあります。その数、なんとちょうど200本! その後、枯死してしまった木もありますが、数字に何か意図が隠れていそうな気が・・。 まあ、数えようなんて思うのは、おそらく私くらいではないかと思いますが笑。 これから次の週末にかけて、どこまでも続く“桜の花道”を楽しめることでしょう。 ヨウコウにすっかり気を取られて見逃してしまいそうですが、歩道沿いではケスゲが見頃。 写真は茎の先端にある雄花の集まりが開花している状態で、これらに隠れるようにして、 その下に複数付いている雌花の集まりがあります。スゲの仲間の多くは、雌雄異熟といって 雄花と雌花が時期をずらして熟します。自家受粉するのを回避するための戦略ですね! ちなみにこのケスゲ、他のスゲとは簡単に見分けることができます。茎の下のほうを見ると 葉鞘(茎を包み込んでいる葉の一部)や葉そのものに、白い毛がびっしり生えているのです。 このような特徴を持つ身近なスゲ類はケスゲ以外になく、名前の由来にもなっています。 芝生広場では、恒例の「みどりの遊び市」が開催され、多くの人で賑わっていました。 地域のイベントとしてすっかり定着した感があり、出会いや交流の場になっています。 長池公園が、人々の“居場所”や“拠り所”として輝く姿は本当に美しいものですね! さて、最後にイベントの告知です。来年度、長池公園では「季節の自然観察会」を 不定期で開催することになりました。テーマなどは設けず、あるがままを観察します。 都合により、開催日は平日が中心になる予定です。(土日休みの方、ごめんなさい!) 第一弾を4/25(木)9:30~12:00に開催します。どなたでもご参加いただけますが、 自然館への問い合わせのみ受け付けます。受付先着順となりますのでお申込みはお早めに!

  • コスミレ

    3月23日、巡回で訪れた九兵衛坂公園の階段沿い林縁に、コスミレが咲いていました。 先日、近くにある学童の子どもたちと一緒に、落ち葉掃除をしたばかりの場所です。 コスミレは新宿新都心や渋谷の雑踏の片隅にも生えているくらい身近な種類なのですが、 由木地区で見られる場所は限られます。この場所のほかに、堀之内東山そらみの森緑地や、 管理範囲外ですが、清水入緑地、大平公園、蓮生寺公園、玉泉寺境内などで見ています。 写真を後で見返すと、肝心の葉っぱが写っていませんでした。スミレを見分けるのに 葉っぱの形はとても重要なのです。特に花の色だけを見ると、コスミレはおなじみの タチツボスミレと大変よく似ています。この機会にもう少しちゃんと見ておこうと、 自宅近くの法面(めがね橋付近)に群生しているコスミレを改めて観察してみました。 花の中心に見えるのは雌しべです。先がカマキリの顔の形をしているのが特徴的です。 距は太くて真っ直ぐ後ろに伸びています。これもタチツボスミレとは異なるポイント。 さらに、蕚片にも特徴があります。上側に付属片というフリルのような構造があるのです。 葉っぱを見なくても、見慣れたタチツボスミレとはだいぶ違う顔に見えてきませんか? ちなみにこちらがタチツボスミレの花です。ほら、花の色以外は全然違うでしょう?? ヤマルリソウの花も見てきました。先日の記事で取り上げたキュウリグサの親戚です。 花の中心が白くなっていますが、これは花冠の一部が隆起したもので、蜜の在りかを虫に 知らせるサインのようなもの。雄しべや雌しべはそのさらに奥に隠れていて、外からはよく 見えません。ヤマルリソウの近くでは、可愛いアブラチャンの雌花も開花していました。 こんなに素敵な花々が散歩コース(蓮生寺周辺)で拝める幸せ。やっぱり由木っていいなぁ! 所変わって、こちらは大塚なかおね公園で開催された「にこにこフェスティバル」の様子。 陽光台自治会が主催する地域のお祭りで、スタッフもNPOとしてブース出展しました。 降雨予報で開催が危ぶまれましたが、運営の皆さんの熱い思いがお天道様に届いたのか、 途中、晴れ間も差して大賑わいでしたよ! スタッフの皆さん、お疲れさまでした。

  • ビロードツリアブ

    3月22日、カタクリの花が次々と開き始め、開花数を数えると50株ほど確認できました。 この時を待ちわびていたかのように、蜜を求めてビロードツリアブが飛び回っていました。 モコモコの体にハチドリの嘴そっくりの口吻、ホバリングするその姿はとても独特です。 カタクリとビロードツリアブ、どちらも地上に現れる期間が短いことから“春の妖精”と 呼ばれており、この組み合わせはまさに今しか見られない旬の光景といえるでしょう。 他にも“ビロード”が付く動植物を集めてみました。やはり毛を纏ったものが多いですね。 ビロードシダ、ビロードスゲ、ビロードモウズイカ、ビロードタツナミ(コバノタツナミ)、 そして生き物はビロードキンクロ(通称ビロキン)、ビロウドコガネ(ビロードコガネ)です。 この“ビロード”という言葉、日常会話の中で登場する機会はほとんどありません。 ビロード生地の肌触りといっても伝わらないことが多いので、いつも説明に苦慮します。 同じように、“メリケン”などの古い言葉が、動植物の和名ではよく用いられています。 死語となりつつある言葉も、動植物のおかげで忘れ去られることはないかもしれません。 話が逸れましたが、気温がそこそこ上がると、カタクリの花は元気に反り返っていました。 昨シーズン、学生アルバイトの公園スタッフが製作してくれた立体刺繍のカタクリです。 とても丁寧に作られています。自然館に展示してあるので本物と見比べてみて下さいね!

  • 早春の自然環境調査

    3月21日、昨年、八王子市環境保全課主催の緑地保全講習会(全6回)で講師を務めましたが、 後半の3回は、市内の民有緑地を舞台として実際に作業を行いました。その後の状況が 気になっていた矢先、調査のお仕事で再びこの場所を訪れることができました。 ササを刈り進めた林床は良い状態が維持されていて、ホソバシュロソウやイヌショウマの 新しい芽生えがいくつも顔を出していました。そして、キツネノカミソリの葉が一面に! 保全作業の効果が現れているといって良さそうです。いずれも開花に期待がかかります。 水源近くでは、いくつか希少なシダが見つかっています。写真は常緑性のイワヘゴです。 もう春なのに、開花している草花は思いのほか少なく、あちこちで咲いているシュンランが 目の保養になりました。この場所もそうですが、人の出入りがほとんど無い民有地では まだたくさん生き残っていて、足の踏み場も無いくらい生えている場所があったりします。 谷底部にエナガの巣が落ちていました。巣材を掻き分けると、トラツグミの羽が何枚も 使われていました。おそらく、オオタカなどの食べ痕から調達してきたものでしょう。 この発見から、①エナガが繁殖していること、②トラツグミが越冬していること、 ③猛禽類が採食のために利用していることなど、生態系を考える上で重要な様々な情報を 得ることができます。植物メインの調査ではありますが、これは嬉しい発見でした。 林縁に沿って歩いていると、近くの棒杭にルリビタキ(雌または若い雄)が止まりました。 もう間もなく渡ってしまうので、もしかするとこの出会いが見納めになるかもしれません。 シンボリックな杉の大木を見てふと思い立ち、何枚か樹皮をめくってみると・・いました! 写真はアオモンツノカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、トビモンオオヒラタカメムシ。 カメムシ以外にも、ムツボシテントウ、アカマダラカゲロウ、クロウリハムシなどが 冬越ししていました。あたたかくなってきたので、彼らもそろそろ活動再開でしょうか。 カメムシ繋がりでもう一枚。足元のブロックを歩いていたムラサキシラホシカメムシです。 樹皮下で見かけたことは無く、地上付近の隙間などで冬越ししているのかもしれません。 ということで、今日は民有緑地の調査の様子をご紹介しました。雰囲気伝わりましたか? 雪害で倒れた樹木や落ちた枝の処理、実生木の間引きなど、まだまだこの場所で取り組む べき課題は山のようにあるので、保全活動がうまく継続していくことを願っています。

  • キュウリグサと自然館周辺の花暦

    3月20日、車を停めた駐車場の周りにキュウリグサのお花畑が広がってきました。 ムラサキ科の植物の中ではもっとも普通に見られる種類。いわば、おなじみの雑草です。 アップで見るとこんなに可憐な姿をしています。“お花のスタンプ”みたいな花ですね。 どんな素敵な名前が付いていてもおかしくないのに、まさかの野菜登場でキュウリグサ。 小判型の葉っぱをちぎり、揉んでみると確かにキュウリそっくりの匂いが漂ってきます。 私なら「ヒメワスレナグサ」とか「ニワルリソウ」とか、もっといい名前を付けるのに・・ そんなことを考えつつも、キュウリの匂いに気が付き、それを名前にしてしまう思い切りの 良さには脱帽です。綺麗な名前よりもキャッチーな名前に決まってむしろ良かったのかも。 長池公園名物、バス通り沿いのヨウコウ(桜)が続々と咲き始めました。1週間以内には、 ピークを迎えるのではないでしょうか。この道が桜の花道となる日が楽しみでなりません。 駐車場から自然館までの道ばたではバイモが満開。そのそばでシナレンギョウが咲き始め。 駐輪場の向かい辺りではアマナの花も顔を出しています。鳥が嘴で葉っぱを咥えているかの ような写真が撮れました。陽が差していれば、花は上を向いてもっとよく開いています。 先日の記事で開花をお知らせしたキブシは、上から順番に少しずつ咲き進んできました。 タマノホシザクラよりも一足先に、近縁のヤブザクラがだいぶ咲き揃ってきています。 花は水平に開き、萼片の縁には細かいギザギザがあります。2・3枚目は珍しい6弁花です。 ホワイトボードの情報板で紹介されているからか、来館者の人気を集めるアーモンドの花。 ピンクの濃い花は桜より大きめサイズです。展示室2の廊下の窓越しにご覧いただけます。 アーモンドと同じ自然館中庭では、地植えのジロボウエンゴサクやレンプクソウも開花中。 中庭の池で誕生したヤマアカガエルのおたまじゃくしが、元気に泳ぎ回っていました。 気になる中庭巣箱のヤマガラは、引き続き巣作りに励んでいます。自然館スタッフが、 巣材に使うシュロ縄をほぐしているシーンを見事に撮影されたので、お借りしました。 口いっぱいに咥えて、とっても一生懸命な様子が伝わってきます。頑張れ頑張れ!!

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