4月26日、午前中から、調査のお仕事で市内北西部にある民有緑地を歩いてきました。
これまで20ヶ所以上の民有緑地を調査してきましたが、この日の対象地はそれらの中でも
トップクラスの植物多様性を誇り、1回の調査で240種あまりの自生植物が記録されました。
もともとのポテンシャルの高さはもとより、丁寧に手入れがなされてきた結果といえます。
こちらは調査中に出会ったヘビノネゴザという夏緑性のシダ植物です。どこにでもあって
特に珍しい種類ではありませんが、四方八方に葉を伸ばしてまるでお日様のような姿が
とても美しく、つい撮影した一枚です。こんなに綺麗な株にはそうそう出会えません。
この葉の中央に、ヘビがとぐろを巻いて鎮座している姿を想像して名付けられたのですね。
ヘビノネゴザは、重金属によって汚染された土壌の上でも生き抜くことができる能力を
持っており、さらにはそれらを植物体内に蓄積する重金属高集積性も有しているそうです。
その特性を生かして、汚染された土壌でヘビノネゴザを育てたのち、重金属を吸収した
ヘビノネゴザを処分することで、汚染土壌の回復が可能であると考えられているのだとか。
こうした、植物を用いた環境修復技術はファイトレメディエーションと呼ばれています。
身近な植物では、セイヨウカラシナ、ヤナギ類なども環境修復効果が期待されています。
話を戻すと、この民有緑地では3個体のキビタキ(雄)が確認できました。いずれも渡りの
途中に立ち寄った子と思われますが、翼を震わせて雄どうしが威嚇し合う様子も見られ、
一時限りの滞在とはいえ、食糧となる昆虫が豊富で、キビタキにとって住み心地の良い
環境であることがわかります。渡り鳥の中継地としての利用は、都市の中に残された小さな
緑地が果たす、重要な役割の一つだと考えています。なんとか証拠写真が撮れました・・
所変わって長池公園の植物です。自然館周辺で見頃の花や実をピックアップしておきます。
順に、ミヤマガマズミ、ヤブデマリ、ヒメウツギ、ニガキ、ニシキギ、ツクバネウツギ、
ヒメコウゾ、ツルグミ、ヤワラスゲ、キケマン、ダッチアイリス、キバナオドリコソウ。
つい最近、芽吹いたばかりのホオノキには、早くも花が咲き始めていました。どんな香り?