ピンクのオンブバッタ
9月10日、皆さんはピンク色のバッタをご覧になったことがありますか?日々、自然館には様々な生きものの情報や
質問が寄せられますが、今までに何度か「ピンク色のバッタを見つけた!」と言って写真を見せていただいたことが
あります。なぜそのような色をしているのか、じつははっきりとはわかっていないようですが、ヒナバッタを筆頭に
ショウリョウバッタやクビキリギスなど、いくつかの種類ではごく稀にピンク色の個体が見つかり話題になります。
講座の下見で訪れた都内の公園緑地で、こんなオンブバッタを見つけました。上翅の先、触角、脚などがピンク色を
したオンブバッタです。発見した時には、「オンブバッタってこんな色だっけ?」程度にしか思っておらず、むしろ、
関西地方などに定着している外来種のアカハネオンブバッタが脳裏をよぎりました。しかしアカハネオンブバッタの
“アカハネ”とは下翅のことで、隠れている透明なほうの翅を広げると色付いておらずオンブバッタの翅そのもの。
やはり、この個体は“少しだけ”ピンクに色付いたオンブバッタで良いようです。ピンクのバッタというと、全身が
ピンクに変色しているイメージでしたが、このオンブバッタのように、一部が色付いているケースもあるのですね!
ちなみにオンブバッタとショウリョウバッタは互いによく似ていて、間違えられることがあります。迷った時には、
眼の下から後方にかけてのラインをクローズアップしてみると一目瞭然。オンブバッタの線は細かいギザギザです。
多摩川の河川敷では、ちょっと珍しいツーショットに出会いました。アレチウリの葉上に仲良く並んだ2種のチョウ。
翅を閉じて止まるイチモンジセセリと、開いて止まるヒメウラナミジャノメです。どちらも地味なので知らない人が
見たらガだと思ってしまうかもしれませんが、夏の終わりの原っぱでもっともよく目にする風物詩的なチョウです。
秋の原っぱは虫たちの宝庫。クズの蕾に産卵するウラナミシジミ、アオモンイトトンボ、キオビメンガタヒメバチ、
モンクチビルテントウ、ドヨウオニグモなどなど。目を凝らすと草の間からたくさんの虫が顔を出してくれました。
これからしばらくは、河原や里山の原っぱが楽しい季節です。渡り鳥シーズンを迎える前に、色々見ておかないと!
おまけ。多摩川の堤防沿いを走っていると、車窓からビルの上に止まるコウノトリを発見しました。国内で見られる
コウノトリは足環で個体識別されています。調べてみると、8月頃からこの辺りで観察されている、京都生まれの雌で
あることが判明しました。京都で誕生し、まだ若いのに多摩川まで移動しているなんてとてもドラマチックですね!



