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宵待草

6月22日、別所一丁目の蓮生寺周辺では、日暮れとともにヒメハルゼミが鳴き始めます。

これから7月上旬にかけて、毎日のように彼らの大合唱を楽しむことができるでしょう。

姿や鳴き声など、詳しくは過去の記事をご覧下さい。ヒメハルゼミ (h-yugi.org)

ヒメハルゼミの声を聴きつつ、この日は堀之内寺沢里山公園で行われた「竹灯籠まつり」へ

出かけてきました。今年で6回目の開催となるホタルの光と竹灯籠を楽しむイベントです。

途中の堀之内こぶし緑地では、コマツヨイグサの花が一面に咲き、暗闇に輝いていました。

私はこの花を見ると、亡き祖母が“宵待草”と呼んで親しんでいたことを思い出します。

マツヨイグサの仲間の花は夜に開きます。昼間はくたびれたような感じで萎んでいます。

夜に咲く理由は、スズメガなど夜行性の昆虫に送粉を委ねているためです。この仲間の

花粉が納豆のように繋がり合う独特なつくりなのも、ホバリングしながら吸蜜する蛾などに

確実に花粉を付着させ、運んでもらうために生み出された特殊構造なのかもしれません。

マツヨイグサの仲間以外にも、夏の夜に咲く花はいくつか知られています。有名なのは

カラスウリ(1・2枚目)でしょうか。外来雑草のムシトリマンテマ(3枚目)も夜咲きです。

暗闇でも目立つからなのか、夜咲きの花の多くは白やレモンイエローなのが特徴ですね。

さて、目的の竹灯籠まつりですが、ホタルは園内各所で多数飛び交っていて幻想的でした。

今回はおそらく今までで一番の人出だったのではないでしょうか。帰り際にスタッフに

伺ったところ、20時半時点での来場者数は約1200人とのことでしたので、最終的にはさらに

増えたのではないかと思います。それでも、各所にスタッフが立って丁寧に誘導を行って

いたため、安心して観察することができました。主催のまちづくり楽友会の皆さんには

頭が下がります。年に一度とはいえ、これだけ多くの人が集まるのはすごいことです。

地域に愛されている素敵な公園だと、改めて実感しました。関係者の皆さんに感謝します!

おまけ。帰り道、足もとにセアカヒラタゴミムシが現れました。夜ならではの出会いです。

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