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シダの海

1月12日、奥多摩植物調査会のシダ植物研修で、八王子市西部の山地を歩いてきました。

普段、丘陵地ばかり歩いている私にとっては久しぶりの山歩きとなりました。

山歩きといっても、山頂を目指すのではなく、シダ植物を調べるためだけに急な斜面を

登り降りして、いくつもの藪を漕ぐのですから、冷静に考えるとかなりおかしいです。

今回の目玉はこちらのシダです。ミヤコヤブソテツという希少な種類で、東京都に分布する

ヤブソテツ類の中ではもっとも出会う機会の少ない逸品。沢の上部に点在していました。

いくつかある見分けのポイントは割愛しますが、3枚目の写真でもわかるように、葉裏の

胞子嚢群(ソーラス)は中央が黒く色付き、目玉焼きのようになっているのが特徴的です。

そして思いがけず大発見もありました。八王子市内では二例目、東京都全体でも片手で

数えるほどしか産地が見つかっていないオニヒカゲワラビ、それも大規模な群落です。

これぞ、シダ植物探索の醍醐味といえるでしょう。もはや、登頂よりも充足感があります。

その他、印象に残ったシダをダイジェストにて。え、もしかして、どれも同じに見えます?

順に、オオバノハチジョウシダ、オオカナワラビ、オシダ、タカオシケチシダ(2枚)、

カタイノデ、ヒロハイヌワラビ、コユルギイノモトソウ、タチクラマゴケ(シダ)です。

道中は、なにしろ下ばかり見ているので、シダ以外にも色々なものが目に入ります。

翼鏡の輝きが美しいコガモの羽、うっすらと緑の入ったアオバトの羽、ホンドテンの糞・・

羽2枚は持ち帰ってきたので、また自然館受付の宝物コーナーに展示しておきますね!

朝から歩き始めて、こんな感じの斜面を登ったり降りたり。あっという間に夕方です。

帰りにアブラチャンの可愛らしい冬芽を観察していると、ちょうどバスが来ました。

重要な発見もあり、学びと収穫に満ちた充実の研修となりました。お疲れさまでした。


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