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30坪の自然観察

4月27日、久しぶりに多摩モノレールに乗ってお出かけしてきました。途中下車をして

駅のそばにある小さな公園でお昼を食べました。広さはせいぜい30坪(約100㎡)くらい。

1つしか無いスプリング遊具に哀愁が漂っているのでした。遊具で遊んでいた子どもが

「テントウムシいた!」と声を上げたので、すぐに見に行くと、あれれ?様子が違います。

何が違うか、わかりますでしょうか?よく見ると、触角がハの字にピンと伸びています。

「よく見つけたね!テントウムシそっくりだけれど、触角が長いね!ちょっと見ててね。」

そう言って指を近付けると・・ピンッ!瞬きする間もなく、跳ね飛んで姿を消しました。

この甲虫の正体はヘリグロテントウノミハムシ。テントウムシはアブラムシなどを食べて

くれる益虫ですが、この虫はモクセイ科の樹木の葉を食べ尽くしてしまう害虫なのです。

鳥が好まないテントウムシに擬態することで、被食を免れているものと考えられています。

近くのキンモクセイの葉を見ていくと、やはりいました。ここからやってきたのですね!

こちらは別の場所にいたヘリグロテントウノミハムシです。ヒイラギモクセイも大好き!

ヘリグロテントウノミハムシを探していると、辺りの壁や葉の陰に、おびただしい数の

モンカゲロウが止まっていることに気が付きました。水辺が近いことを教えてくれます。

目線を上に移していくと、今度はエゴノキの葉にオトシブミの揺籃を発見しました。

初夏の定番、エゴツルクビオトシブミです。すぐそばには作った張本人の姿もありました。

遊具の後ろではコデマリが見頃でした。この小さな空間で花の存在は貴重のようです。

次から次へと昆虫が吸蜜に訪れていました。植栽とはいえ、重要な役目を担っていました。

雑草に目を向けると、一風変わった種類が群生していました。ヒゲナガスズメノチャヒキ。

草原や芝生などではあまり見られず、疎林下や雑木林の林縁など、少し日陰になるような

環境でよく見かける気がします。この公園の植え込みはまさにピッタリの条件なのでした。

雑木林の林床など、比較的自然度の高いところに自生するヒゴクサも咲いていました。

小さな公園でも、条件さえ整っていればちゃんと植物があり、昆虫がいて、生態系が

成り立っているものなのだと、改めて感動したのでした。自然観察はどこでもできますね!


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