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風まかせは鳥泣かせ

12月21日、辺りも薄暗くなってきた頃、自然館前のウッドデッキにアオジがいました。

「全然逃げないアオジがいる。」と噂には聞いていたのですが、この子のことですね。

確かに、人を気にする様子は全く無く、犬を連れた来園者がすぐ脇を通っても動じません。

それどころか、どんどんこちらへ近付いてきて、カメラの画角からはみ出してしまいます。

じっと観察していると、地面にこぼれ落ちたタイアザミの種子(綿毛)を咥えました。

そして嘴に咥えたまま行ったり来たり。アザミの種子は風散布なので、鳥に食べてもらう

ことは望んでいないはずです。鳥の羽と同じ構造の綿毛を纏い、風に乗ってどこまでも

遠くへ飛び立っていきたかったことでしょう。一方、アオジのほうも、長い綿毛に

苦戦している様子。タネだけを食べたいのに、この毛が邪魔だなぁ・・という感じです。

皆さんもこの子を見かけたら、ぜひその愉快な行動をじっくりと観察してみて下さい!

ところで、午前中は市内の民有緑地の調査へ出張しました。調査は今日で年内最後です。

多くの植物はすでに枯れ果てており、調査は困難を極めました。その中でも、印象に残った

2つの植物をご紹介します。まずはヒメヤブランです。つい、実と表現したくなりますが、

写真の黒い粒は種子(果皮が早くに脱落して剥き出しになった状態)です。ヤブランと違って

光沢が鈍く、ジャノヒゲのような鮮やかな青色でも無い、ひっそりとした佇まいですね。

見逃しやすい植物ですが、墓地の周りや林に面した芝草地など、日当たりの良い環境では

それほど珍しい種類ではありません。長池公園でも駐車場付近などで見ることができます。

もう1つはホオノキの大木です。ホオノキ自体はよく見かけますが、株立ち状のものが

多く、写真のように1本立ちで盛大に枝を広げた姿は圧巻でした。落ち葉の絨毯も凄い!

今年も無事に調査の仕事を遂行できました。来年も事故やケガにはくれぐれも気を付けて、

フィールドワークに従事していきたいと思います。良い出会いに恵まれますように・・!

おまけ。季節外れのヒメウズの花と果実です。周りはみんな越冬葉なのに、どうしたの?

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