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霜華と視察対応

12月20日、朝、車に乗り込むと外気温2℃の表示。息も白く、思わず身震いする寒さです。

「あ、そうだ!こんな朝はあれが出ているかも!」と思い出して自然館を飛び出しました。

予想どおり、あれが出ていました!“あれ”とは、自然館第一会議室前に移植栽培された

シモバシラという植物の霜華です。地上に立ち枯れたシモバシラですが、地中の根は生きて

おり、茎の中を通る道管に水を吸い上げ続けます。外気温が氷点下になると、道管の水が

氷るため、茎にこの写真のような霜華が生じるのです。高尾山の稲荷山コースや南高尾、

相原の大地沢などが有名な霜華観察スポットとして知られていますが、多摩丘陵周辺にも

局地的に分布しており、長池公園で見られるものは町田市産の個体群です。空気中の湿度が

高く、氷点下まで冷え込んだ日の翌日の朝が狙い目。年末もまだチャンスはありそうです。

さて、この日の午前中は八王子市の委員会に出席するために出張していました。午後からは

自然館に戻り、「NPO法人里山プロジェクトみなみ(愛称:南ちゃんの会)」の皆さんが視察

来園し、ご案内を担当しました。皆さんには以前からお世話になっているので、久しぶりの

対面を喜びつつ、園内の里山管理をレクチャーしたり、活動の近況を情報交換したりして

大変有意義な時間を過ごしました。道中では、もちろん動植物も色々と観察しましたよ!

ながいけの道入口、第一デッキ付近には、モズの雌がいました。もう可愛くて仕方がなく、

私は思わず声に出してしまいました。つぶらな瞳に鋭い嘴というギャップがたまりません。

一方、つくいけの道には落ち着き払った様子のコジュケイの小群がいました。長池公園の

コジュケイはこのブログでも何度か紹介していますが、とにかく逃げません。夢中で採餌に

励んでいます。やがて、近くの繁みへとフェードアウトしていきました。視察の一行も

思いがけず様々な野鳥を間近で見ることができ、幸運でした。冬の小鳥の多様性は里山の

生態系が豊かであることを示す指標の一つですから、視察中に現れてくれて良かったです。

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