陸生ホタルの季節
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 5月25日
- 読了時間: 2分
5月22日、園路を歩いていると、腰高くらいの低いところをゆっくりと飛ぶ昆虫がいます。
手でそっと包み込むように捕らえてみると、大抵の場合、その正体はホタルの仲間です。
ホタルというと、夜に発行するゲンジボタルやヘイケボタルがおなじみですが、それら
以外のホタルの多くは陸生、または半水生のホタルで、同じ時期、日中に活動しています。
体験ゾーンの田んぼの辺りにいたこちらはスジグロボタルです。半水生のホタルの仲間で、
赤と黒の配色がとても美しい種類。谷戸の湿地の豊かさを特徴付ける指標種的な存在です。
今は陸生ホタルの発生ピークということもあり、ムネクリイロボタル、オオオバボタル、
オバボタルと、立て続けに見つけることができました。これらのほか、幼虫が発光する
クロマドボタルや、他種よりも小ぶりのカタモンミナミボタルなども見ることができます。
さて、そんな陸生ホタルを一緒に観察してくれたのは、元気いっぱいの保育園児たちです。
長池公園の探検にやってきたせいがの森こども園すいすい組の皆さん。お揃いの青い帽子が
可愛らしい彼らは、好奇心でいっぱい!ホタル以外にもクモやバッタの赤ちゃんをはじめ、
尺取虫、シデムシ、ミミズ、アリなどなど、動くものなら何でも興味を示してくれました。
観察用に配ったカップにお宝を集めて、最後は共有タイムです。みんな違ってみんないい!
午後からはシダ勉強会の講師を務めました。観察対象は昆虫からシダ、参加者も子どもから
大人に切り替わり、私もモードを改めます。リアクションがいいのは子どもも大人も同じ!
普段は景色として見過ごしてしまうようなシダ植物ですが、知れば知るほど魅力的なもの。
シリーズ2回目とあって、参加者の皆さんもなかなか観察眼が鋭くなってきました。シダを
見分けられる人が増えれば、希少植物を調べ、見守る担い手もおのずと増えるはずです。
シダ観察の楽しさを伝えながら私はそんなことを考えていました。これも人材育成ですね!
おまけ。今日は“参加者”と自称する勉強会主宰のじゅんじゅんこと鈴木純さんから質問。
「群生するのはヒメシダの特徴といえますか?」の問いに、「試しに掘ってみて!」と私。
しばらくすると、「綺麗に掘れました!なるほど根茎が横に這うってこういうことか!」と
満面の笑みで持ってきてくれました。「ヒメシダの暖簾」で、一同、感動に包まれました。