1月13日、皆さんは東京都の鳥(都民の鳥)をご存じでしょうか?名前を聞いたら多くの方が
ピンとくるはず。“都鳥(みやこどり)”ことユリカモメです。もっとも、都鳥の都は京都を
指していると思いますが、冬の東京都心の水辺でも、ユリカモメはおなじみの存在です。
台東区の不忍池でユリカモメを観察しました。ここでは、観光客が至近距離まで近付いても
全く逃げません。顔の表情や羽毛の一枚一枚までじっくり観察できます。逃げない理由は
餌をやる人がいることが大きいと思われ、素直に喜ぶことはできませんが、都市に棲む鳥の
行動観察は面白く、短時間の観察でも様々な発見があります。足環の付いた子もいますね!
ユリカモメの存在感が大きすぎて、他の野鳥たちはすっかり脇役に徹しているのでした。
順にオナガガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カワセミ、ダイサギ、アオサギ、スズメ。
ここのカモたちは、かつてはオナガガモばかりでしたが、いつしかキンクロハジロが優勢と
なるなど、いくつか大きな変化があったことが知られています。また、常連さんたちに
混ざって珍しいカモが渡来することもあります。以前、国内ではとても希少なコスズガモを
見に来たことがありました。上野の繁華街のすぐそばとは思えない野鳥のオアシスですね!
ところで上野に出かけた主目的は、国立科学博物館で開催中の特別展「鳥」の見学でした。
パークキッズレンジャーの特別企画として、スタッフ合わせて総勢19名での視察研修です。
11月から開催しているので、さすがに少しは空いてきただろうと思ったら甘かったです笑。
想像以上の人出にびっくりしました。それだけ鳥への関心が高まってきているのでしょう。
今回の展示は、最新のゲノム解析から明らかになった鳥の起源や系統分類について、剥製と
パネルで紹介するのがメインと聞いていましたが、それだけではなく、鳥の形態、暮らし、
文化史に至るまで幅広い内容が、マンガなども織り交ぜつつわかりやすく展示されており、
子どもから大人まで十分に楽しめるものでした。皆さんも夢中になって見学していました。
そして見学後に上野公園と不忍池を散策し、実際に本物の野鳥を観察したというわけです。
上野公園のケヤキ樹皮をめくってヒレルクチブトゾウムシを見つけ出したり、不忍池では
枯れ蓮やマツバランの着生を観察したり、カダヤシやシナヌマエビの生息を確認したりと、
野鳥以外も幅広く観察し、さすがはパーキッズという感じです。人の多さに酔いそうになり
ながらも、学びに満ちたとても有意義な一日となりました。特別展、本当にオススメです!