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観察ゾーンの花暦

4月3日、朝、事務所までウグイスのさえずりが聴こえてきて、皆で耳を傾けました。

午後からの会議に備えて(?)、観察ゾーンの植物の開花状況などを見て廻りました。

予報よりも早く雨が降り出したため、雑木林トレイルの途中で引き返しましたが、

自然館周辺からながいけの道までの間で見頃の植物を中心に、一挙、ご紹介します。

中央園路から長池へ下る階段の途中、足もとにセンボンヤリが点々と咲いていました。

花びらは表から見ると白いのですが、裏側がピンクから紫色を帯びています。このことから

“ムラサキタンポポ”の異名もあります。曇天のため、ほとんどの花は開ききっておらず

むしろムラサキタンポポの名にふさわしい姿を見せてくれました。一見の価値アリです!

センボンヤリは、鹿島・松が谷方面ではそれほど珍しいものではありませんが、長池公園に

出現するようになったのは2、3年前のこと。今では園内の数ヶ所で確認されています。

長池では、満開のヤマザクラが水面に張り出していて見事です。花と葉のコントラストが

美しく、いつまででも見ていられますね。日本の桜といえば、やはりヤマザクラでしょう。

ながいけの道では木々の芽吹きの瑞々しさに目を奪われます。写真はそのほんの一部

ですが、順にイヌシデ、イボタノキ、クマイチゴ、クロモジ、ミツバウツギの若葉です。

クロモジは芽吹きとともに花も咲かせています。新緑の中からアオジのさえずりが聴こえて

きました。声のするほうに目を凝らすと、隠し絵の中からその姿を見つけられました。

カタクリ観察路の入口付近では、南大沢の自生地(※現在は立ち入り不可)から移植された

ワダソウが一輪、そして、園内自生品を一部移植しているイカリソウが開花していました。

小雨がぱらつき、ニリンソウは首を横にもたげていました。そのほか、目に付いた草花は

青紫色の唇形花が目立つキランソウ、草むらを淡紫色に彩るタチツボスミレなど。

こんな天気でも、カタクリ自生地の様子を覗きにいらっしゃる人の多さに感動しつつ、

ついつい来園者とのおしゃべりに花が咲きます。カタクリ群落の中からぽつぽつとスミレが

顔を出していました。ナガバノスミレサイシンです。距の形や葉っぱに特徴があります。

ながいけの道の谷側は適度に湿っていて日当たりも良く、天然のお花畑が広がっています。

珍しい植物ではありませんが、谷底部ではカキドオシとタネツケバナが花盛りでした。

自然館への帰り道、いくつか可愛い光景に出会いました。ツクバネウツギの若葉に

入り込んで一休みするナミテントウ、ネコハギの赤ちゃん、クロモジの花です。

植栽のバイモは早くも枯れ始めていましたが、お隣のヤブサンザシ(雄株・小山ヶ丘産)が

開花ピークを迎えていました。一つ一つの花は地味ながら、雌株よりも花の数が多くて

見応え十分です!ぜひ自然館事務所前の雌株と、花の違いを見比べてみて下さい。

自然館が見えてきた頃、雨はいつの間にか本降りになっていました。咲き始めたばかりの

ヒトリシズカをはじめ、マルバスミレ、ヤマブキなどが駐輪場の道向かいで開花中です。

植物の最盛期となり、私自身が追い付かないくらいですが、皆さんもぜひ観察ゾーンでの

“花さんぽ”を楽しんでみてはいかがでしょうか?きっと新しい出会いが待っているはず!

さて、お待ちかねのヤマガラですが、産卵は6個で終了したもようです!これから当面は

抱卵期となりますので、卵が孵るまではモニター越しにそっと見守っていきましょう。



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