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虫と一緒に夏草刈り

6月30日、早くも猛暑が続いていますが、里山保全隊はパワフルに活動を実施しています。

今週は、日陰の多いカタクリ観察路周辺の草刈りと低木支障枝の剪定を行いました。湿地に

群生するキツリフネは開園当初からの自生ではなく、他所から導入したものですが、ものの

見事に増えすぎて、他の植物を圧倒しています。保護植物だったのもいまはむかし、現在

では谷底部を中心に大胆に抜き取りを行って間引かなくてはならない存在となっています。

花にやってくる昆虫を観察したり、果実を弾けさせて遊んだりと、楽しみも多い植物です。

園路沿いのものはある程度残すなど、メリハリを付けてコントロールしていきたいですね。

作業中、ヤマグワの葉の隙間からカミキリムシの触角が見えました。キボシカミキリです。

クワの木が多い長池公園ではもっとも多く見られるカミキリムシの一つといえるでしょう。

関東地方で見られるキボシカミキリは台湾または中国北部由来の外来系統だそうですが、

1930年代にはすでに東京都で確認されていたとのことなので、渡来は遠い昔の出来事です。

ナガゴマフカミキリ、トウキョウヒメハンミョウ、カシルリオトシブミなどもいました。

草刈りをしていると、小さい虫がどんどん目に入ります。目線が変わるのかもしれません。

ササの茂った場所では、背景に溶け込むような地味な色をしたヒカゲチョウ類が飛び交って

いました。写真は順にサトキマダラヒカゲ、ナミヒカゲ(ヒカゲチョウ)、クロヒカゲです。

この仲間は幼虫の頃にササなどを食べて育つので、大人になってからもアズマネザサの茂る

雑木林の林床や林縁で過ごしているのを見かけます。ちょっと目を離すとどこに止まって

いるのかわからなくなってしまうほど、見事な擬態ですね。たまにはじっくりと観察です!

皆さん、散り散りになって作業しています。実際には11人が参加して下さっていました。

手刈りでも、少数精鋭の里山保全隊の手にかかれば、あっという間に景観が変わります。

里山保全隊は来週の活動で一区切り、しばらく夏休みです。せっかくなので、記念に一枚!


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