6月28日、朝から強い雨に見舞われました。梅雨は雨の降り方によって2つに呼び分ける
ことがあります。連日、しとしとと雨が降り続ける梅雨は“女梅雨”、降る時には激しい
雨となり、降らない日はからっと晴れる、そんな梅雨は“男梅雨”と表現するのです。
この日の雨の降り方は、「今年は“男梅雨”なのでは?」と感じさせるものでした。
自然館前や駐車場の花壇では、シソ科のニガクサが咲き始めました。長池公園には
自生しませんが、近隣の里山には点々と見られ、園内で移植保護を行っています。
少し遅れて、よく似たツルニガクサが開花して紛らわしいのですが、両者は別者です。
葉の質感や縁のギザギザ、萼片の毛の様子などが異なっているのでよく見てみましょう。
パッと見でツルニガクサは背丈が低く、長い葉柄があるのもわかりやすい違いです。
また、ニガクサが茎の下から上に向かって葉がだんだん短くなっていくのに対して、
ツルニガクサは上部の葉もかなり長くなるので、シルエットにもだいぶ相違があります。
自然館前や中庭では、同じシソ科のセキヤノアキチョウジやイヌゴマも咲き始めています。
晴れの日よりも、雨のしずくを纏った姿のほうが魅力的に感じるのは私だけでしょうか。
外作業は中止となり、客足もまばらでしたが、宮上中学校の1年生24人が雨の中来館し、
スタッフが様々な質問にお答えしました。また、市職員による定期監査も行われました。
ところで、午前中は土砂降りの中、市内のとある民有緑地の植物調査に出かけてきました。
調査用紙もずぶ濡れになって大変でしたが、雨の日ならではの面白い発見がありました。
雑木林の落ち葉の隙間から顔を出していたのは、シロツチガキというキノコの一種です。
レンズが曇ってしまってわかりづらいかもしれませんが、真ん中の袋の部分に雨粒が
当たる度に、中央の穴から煙のようなものが放出されています。この煙は胞子なのです。
シロツチガキが雨の日にだけ開く理由がよくわかるシーンに出会えて、感動しました!