2月1日、ルリビタキの青もいいですが、こちらの植物が見せてくれる青も魅力的です。
自然館周辺で見られるノシランの種子です。熟度によって色味や光沢の度合いが異なり、
コバルトブルーからネイビーブルーまで様々な“青”を同時期に楽しむことができます。
いずれも同じ日に撮ったものですが、色が違うので、まるで別人のように見えますね。
見た目的にはつい、果実(実)と呼びたくなりますが、植物学的には種子(タネ)なのだそう。
林床でよく見かけるジャノヒゲ(リュウノヒゲ)に近い仲間ですが、株はより大きくなり、
“巨大なヤブラン”といった風情です。長池公園のノシランは自生ではなく、どこからか
土に混入するなどして運ばれた個体が定着し、その後、野生化したものと思われます。
自然館中庭では、ガラス越しにハナミョウガの蒴果を見ることができます。ちょうど、
先に紹介したノシランと同じ低い目線に穂状の果序を伸ばしています。こちらは真っ赤な
色をしています。ノシランもハナミョウガも、常緑の大きな葉の陰に隠れるようにして
種子や果実を付けており、知らないと見過ごしてしまいそうです。じつにもったいない!
小鳥に食べ尽くされたり、鮮度が落ちて脱落してしまったりする前に、ぜひご覧下さいね。
おまけ。先日、昆虫写真家のHさんが目ざとく発見されたフユシャクの雌です。この仲間は
雌の翅が著しく退化しているのが特徴ですが、写真の子はそれなりに大きな翅があります。
クロオビフユナミシャクでしょうか?すでに産卵を終えたあとの個体ということで、枝に
乗せ換えてしばらく観察させてもらいました。動きが緩慢なことから、「しずかちゃん」と
Aさんが命名したのも束の間、暖かい日差しを浴びてどんどん動き回るようになりました。