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続・ヘンリーヅタと椹ぼっくり

11月25日、1週間前の記事で取り上げたヘンリーヅタ、別の場所ではたくさんの果実を

実らせていました。葉も赤く色付き、とても良い雰囲気だったのでご紹介します。

ところで、先日ソウシチョウの群れを観察した調査地にはちょっと面白い植生があります。

サワラの植林地です。スギ、ヒノキとともに日本固有の針葉樹として身近な樹木ですが、

普通は谷戸の谷底部などに点在するため、街中にこのような純林があるとは驚きました。

サワラの名は、ヒノキと比べて材が軟らかいことを“さわらか”と表現したそうです。

爽やかと軟らかをミックスしたような素敵な響きですね!軟らかいと使用には不向きの

ような気がしますが、水に強い性質を利用して風呂桶などに用いられ、香りが強すぎない

ために寿司桶や米びつなど食品用容器に使われるなど、適材適所で活用されてきました。

ちょうど、熟した球果(※椹ぼっくりと勝手に命名。)がてんこ盛りに付いていました。

椹ぼっくりはヒノキよりもさらに小さく、直径わずか7mmほどしかありません。

葉裏の気孔線の形(ヒノキはY字状でサワラはX字状)で見分けるのが一般的な両者ですが、

球果が付いていれば遠くからでも一目瞭然です。球果は小鳥たちに大人気のようで、

この場所ではビンズイ、メジロ、ヤマガラ、カワラヒワなどが集合していました。

サワラの木陰は本当に心地よく、まるで鳥たちに囲まれているような気分になりました。

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