続・トラフシジミ
- ひとまちみどり由木
- 2024年7月5日
- 読了時間: 2分
7月4日、長池公園外周の歩道を歩いていると、2匹のトラフシジミに出会いました。
ヘクソカズラの葉に止まって休憩しています。うっすらと入った虎斑模様が特徴ですが、
5月2日の記事で紹介したトラフシジミとは、だいぶ翅裏の色合いが違って見えるはずです。
トラフシジミ (h-yugi.org)この違いはチョウの仲間ではよくある「季節型」というもの。
5月撮影の個体は春から初夏に見られる春型、その春型個体が産卵した卵から、夏に羽化
してくる第2化が夏型というわけです。年に2回発生するチョウは春と夏とで色や大きさが
異なっているものが多いので、観察する私たちにとっては楽しみが2倍に増えますね!
ちなみに、身近なものではキタキチョウ、スジグロシロチョウ、アカボシゴマダラ、
キタテハ、ナミアゲハ、ベニシジミ、コジャノメなどでも季節型による違いを楽しめます。
自然館前では、域外保全種として植栽しているノカンゾウ(1枚目)が咲き始めました。
園内各所で見られるヤブカンゾウ(2枚目)の花が重弁咲きなのに対し、ノカンゾウの花は
シンプルなつくりでむしろニッコウキスゲなどに似ています。ノカンゾウは田んぼの畔や
湿った林縁などで見られる植物ですが、生育に適した環境が少しずつ減ってきており、
2020年度版の東京都レッドデータブックでは準絶滅危惧種としてレッドリストの仲間入りを
果たしてしまいました。ノカンゾウ | 東京都レッドデータブック (tokyo.lg.jp)
かつてはごく身近な植物であったはずなので、そういう存在こそ大切にしたいですね!
さてこの日は引き続き、園内で宮上中学校と別所中学校の職場体験活動が行われました。
哺乳類調査用センサーカメラの動作点検や、せせらぎ緑道の支障枝剪定、そして回収した
剪定枝を使った工作などに挑戦してくれました。みんな意欲的でこちらも楽しくなります!
最近、問い合わせの多かった自然館前庭の植栽植物に手書きの名札を付けてもらいました。
どの名札も、その植物のイメージに合ったちょっとしたアクセントが描かれていて、素敵!
中には見分けの難しい植物もありますので、名札をヒントにぜひ比較してみて下さいね。
最後に、職場体験の学生さんたちと園内を廻りながら見つけた動植物を写真で紹介します。
順に、ニイニイゼミ(羽化殻)、コチャバネセセリ、シオヤアブ(キマダラカメムシ捕食中)、
キジバト(盗み食い)、オトギリソウ、オカトラノオです。季節はどんどん進んでいきます。