6月11日、先日10日に園内で初めて咲いたジュンサイのその後が気になり、見てきました。
午前10時半頃に到着すると、昨日と同じ花が開花していました。
昨日の花は中央の雌しべ(先端=柱頭が白い)が目立っていましたが、今日は雌しべよりも
その周りに林立する赤い雄しべに目を奪われました。予想どおり、一晩にして雌性から
雄性に変わり、別人へと変貌を遂げていたのです。その早業はまるで“衣装替え”のよう!
そして今日も、昨日と同様、12時頃には花が閉じ始め、あっという間に閉花しました。
長池のかいぼりにより、60年以上の月日を経て眠りから目覚め、それから数年間はなんとか
葉っぱだけを浮かべて命を繋いできたジュンサイ。今年ついに蕾を持ち、開花しました。
水面に顔を出すこのわずか2日間を、私たちはどんなに待ちわびていたことでしょう。
天体ショーさながらの奇跡の瞬間に居合わせることができて、感動せずにはいられません。
東京都では、長池公園で再生した個体群が、現存する唯一の自生となっています。
引き続き、系統保存に努めるとともに、残りの蕾の開花情報もお知らせしてまいります。
ところで開花中のジュンサイを撮影していると、写真の子と目が合ってびっくりしました。
水中のジュンサイの茎に、イトトンボの仲間のヤゴが止まってこちらを見ていたのです。
「何をそんなに嬉しそうにニヤけてるんだ?」・・まさか虫にまで見られているとはなぁ。
帰り道、雨露に濡れたツユクサが目に留まりました。ツユクサもジュンサイと同じ半日花。
英名の“DayFlower”はそのままの表現ですが、「ツユクサ」という和名自体も、朝咲いて
昼にしぼむ花の様子を「朝露」に見立てて付けられたという説があります。
ところが、純白花のツユクサや純白花のマルバツユクサは、夕方頃まで花が萎まずに
開いたままで驚いたことがありました。観察事例が少なく、単なる偶然かもしれませんが、
花の色によって開花時間の長さが変わることがもしあり得るとすれば、興味深いですね!
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