2月11日、柔らかい日差しの差し込む自然館中庭で、フクジュソウの花が満開です。
キラキラと輝く花の真ん中に、美しい模様が特徴的なアブの姿を見つけました。
フタホシヒラタアブです。日中の気温が上がり、ハナアブ類が飛び始めたのです。
近付いてもすぐに逃げて飛び回ることはなく、ゆったりとした時間を過ごしています。
フクジュソウには蜜が無いので、このアブは花粉を舐めるためにやってきたのでしょう。
飛び出す雄しべの群れをクローズアップしてみると、確かに花粉がたくさん付いています。
フタホシヒラタアブが長居をしていたのにはもう一つ理由があります。それは温度。
光沢のある花びらは太陽光をよく反射して花の中心部に光を集め、花の内部の気温が
外部と比べて10℃近くも高くなるのだそうです。つまり、フクジュソウの花の真ん中は
とても暖かいのです。昆虫が活動するのにはまだ肌寒い2月、成虫で冬越ししている種類は
より暖かい居場所を求めているはず。フクジュソウの花は、日向ぼっこに最適なんですね!
花粉のお菓子付きという、アメニティまで充実した至福の立ち寄り湯、“福寿荘”。
これからしばらくの間、どんな訪問客がやってくるでしょうか。朝の楽しみが増えました。
フクジュソウを観察中、どこからか「キャラララッ」と可愛らしい声が聴こえてきました。
工作室前の水路を覗いてみると、声の主が顔を出していました。ヤマアカガエルです。
毎年この時期になると、冬眠から目覚めた成体が交尾や産卵のために水辺に集まります。
すでに別のスタッフが1月23日に初認していますが、私は今日が今シーズン初認でした。
最初の卵塊が確認される日もそろそろ近いでしょう。季節はどんどん前に進んでいます。