9月17日、中秋の名月でした。コオロギたちの涼しげな声を聴きつつ眺める月は格別です。
さて、先日の記事に続いて、長池公園で開花中の草花をいくつか紹介したいと思います。
自然館前にある自動販売機のそばの水鉢で、鮮やかなピンク色の花が目に留まりました。
熱帯アメリカ原産の水田雑草、ホソバヒメミソハギです。名前のとおり、ミソハギの花を
ずっと小さくしたような花を葉腋に咲かせます。これとよく似たもので花柄と小花柄が長い
ナンゴクヒメミソハギも長池公園の水田で確認しています。一方、在来種のヒメミソハギは
由木では希少で、最近は確認できていません。以前は長池公園の水田に生育していました。
この仲間は水田や休耕田に依存して暮らしているので、田んぼを耕作する農家や里山保全
団体にとっては稲の育成に影響を及ぼす厄介な存在でもあります。水田雑草は可愛い花を
咲かせるものが多く、魅力的である一方で、農薬の使用や耕作放棄、過度の草刈りなどに
よって絶滅の危機に瀕している種類が非常に多い特徴があります。それに加えてこのような
外来雑草が定着することで、在来種と競合したり雑種形成したりする懸念もあるでしょう。
なかなか注目されることはありませんが、田んぼの雑草にもぜひ目を向けてみて下さいね!
この日、もう一つ目を引いたのはおなじみのミズヒキです。ミズヒキというと、なんとなく
赤い粒粒の花が穂状に並んでいるイメージでしたが、全ての花がパカッと美しく開いて
咲いている状態のものを見つけました。赤いのは上半分だけで、下半分は白くなっている
のがよくわかります。この姿を見れば、「水引(紅白の飾り紐)」の名前も頷けますよね!
その他、見頃の植物です。順に、イヌハギ(自然館前と築池堤防)、イボクサ(自然館中庭)、
キツリフネ(ながいけの道)、ヤブラン(各所)、スズメウリ(自然館前)、トキリマメ(各所)。
いよいよ本格的な秋の草花シーズンに突入しました。旬の花たちをどうぞお見逃しなく!
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