12月25日、毎日通る通勤路のユリノキ並木は、四季を通じて様々な表情を見せてくれます。
葉を落としてすっかり寂しい姿になったユリノキをよく見てみると、花のようなものが
たくさん付いています。これらは果実です。翼果が折り重なってできた集合果はさながら
チューリップの花のようにも見えることから、“チューリップツリー”と呼ばれています。
中心に近い翼果から順に風に乗って飛んでいくので、外側だけが残ってカップ状になった
果実が目立ちます。これだけ多くの果実を生産するにもかかわらず、種子はしいな、つまり
稔らず萎びたものがほとんどだといい、発芽率も低いのだそうです。ときどき実生苗が
植え込みなどから顔を出しているのを見かけますが、それらも草刈りや刈り込みによって
あっという間に淘汰されてしまいます。ユリノキだらけになる心配はなさそうですね。
ユリノキについてはとても詳しく解説されたサイトがありますので、興味のある方はぜひ
夕方、ユリノキの梢にヒヨドリが集まっていました。中には翼果を咥えている子もおり、
ただ止まっていただけでなく、果実を食べているようでした。風散布なので鳥に食べられる
ことは想定外だとは思いますが、イカルもこの果実をよく食べることが知られています。
風まかせよりも、鳥たちに食べられたほうが案外遠くまで運んでくれるかもしれませんね。
おまけ。日没前の築池にて。トモエガモが水面に倒れ込んだ止まり木で休んでいました。
この止まり木を利用するのを確認したのは今回が初めてです。クリスマスプレゼントかな?