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中庭テラスの植物と秋葉台小学校5年生の稲刈り

更新日:10月17日

10月14日、各地で秋の野菊類が見頃を迎えています。自然館中庭テラスでは、薄紫色の花が

魅力的なカントウヨメナが咲いていました。ユウガギクやノコンギクとよく似ているので、

正確に判別するには、種子の綿毛の有無や長さ、葉の形態などを確認する必要があります。

見慣れてしまえば、遠目からでもある程度は検討が付くようになり、特に生育環境の違いで

「ススキの原っぱに見え隠れしているのはノコンギクだろうな~」、「湿っぽい草地に群生しているのはきっとユウガギクだ」などと言い当てられるのも、野菊の面白いところです。

カントウヨメナは主に田んぼの畔や湿地に生育します。水辺に咲く背が低めの紫色の野菊は

本種の可能性が高いといえます。当たりを付けてから細かい点を確認すると良いでしょう。

向かって右手の水鉢では、再びミズアオイが開花していたほか、希少なタウコギも開花中。

どちらも園内には自生せず、他所から移植したもの。3枚目は園内自生のコメナモミです。

さて、この日は秋葉台小学校の5年生が米作りの学習で長池公園へ来園しました。3クラスが

順番に、長池里山クラブ指導のもと稲刈りを体験していきます。上手に束ねるのにはコツが

必要なので、皆さん苦戦しつつも頑張っていました。稲刈りの間、別のクラスは田んぼから

離れて自然観察へ。思い付きで足もとの雑草を取り上げることにしました。チカラシバとの

力比べにはじまり、カゼクサに癒され、それらが稲と同じ仲間だとわかると、予想どおりの

ナイスリアクション!そしてかつて米を手に入れるのが難しかった時代には、イネ科雑草が

雑穀として人々の餓えを満たしていたことを伝えると、ちょっとは見る目が変わったかも?

後半は、定番のオオバコ相撲で名勝負を繰り広げ、イヌタデ(アカマンマ)のお赤飯づくり。

数百年も前の子どもたちが楽しんでいた草花遊びを、こうして味わえる喜びを噛み締めて。

私がいつも雑草で遊び始めるのは、10年後、50年後にもこんなシーンを残したいからです。

オオバコの種子が広まる仕組みや、踏んづけてもノーダメージな体のつくりまで、色々と

レクチャーし、観察や体験、シンキングタイムも盛り込んで、あっという間の30分でした。


 
 
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