七夕のシロバナツユクサ
7月7日、七夕です。講座の下見で黒川方面の谷戸を歩いていると、畔道にひとかたまりの白いお花を見つけました。
その場にしゃがみ込んで、正面から覗いてみると・・正体はおなじみのツユクサでした!ツユクサの花、普通は青色
ですが、稀にこのような純白の花を咲かせることがあり、シロバナツユクサと呼ばれています。花の色が違うだけで
ずいぶん印象も変わるものですね。何だかいいことが起きそうな予感がして、上機嫌でさらに歩みを進めていくと。
あら、今度は猫じゃらし(アキノエノコログサ)の五本立ちに出会いました。花穂が2つや3つに分かれた奇形の個体は
時々目にしますが、5本は珍しい!ちょっと手袋みたいで、これはこれで可愛いかもしれません。身近な雑草が魅せる
個性的な姿には、惹かれるものがあります。いつか、そんな足もとのカワリモノばかり集めた図鑑でも作れたら・・
心地好い田園風景の中をゆっくり歩いていくと、様々な出会いがありました。ヒガシニホンアマガエル、ミソハギ、
ハラビロカマキリ、セマダラコガネ、ブチヒゲカメムシ、ニガクサ、ウワミズザクラ、ハナイカダ、ハムシダマシ、
マルバツユクサ、ナヨクサフジ、サルナシ、サツマノミダマシ、ベニバナ、アーティチョーク、ヒメギスなどなど。
栽培されている有用植物から、勝手に生えてきた野良雑草、そして夏の里山ならではの花と実り。その中に溶け込む
小さな生きものたち。一つ一つは決して主張せずむしろ控えめなくらいの存在感なのですが、調和しているのです。
農村的暮らしの傍らには、日本人の“心のふるさと”とでもいうべき、調和のとれた美しい自然の営みがあります。
そんなほっとするような情景の中から二人のおばあちゃんが現れ、呼び止められました。目前の畑で一仕事を終え、
採れたての野菜を自転車のカゴいっぱいに積んで、これから山を越えた向こうにある多摩ニュータウンのご自宅への
帰路に付くところだといいます。「重たくて持って帰れないから!」と、どんどんお野菜を袋に詰め込んで下さって、
今度は私の両手が野菜でいっぱいになってしまいました。御礼を伝えて別れたあとの帰り道、採れたての胡瓜の味は
格別でした。やはりこの里山の調和を支えてきたものは、関わる人たちの心の豊かさ、おおらかさだったのですね。



