9月17日、図書館へ本を返しに(借りに)行くと、周囲にタデ科の雑草が群生していました。
一応調べてみると、ハルタデ、サナエタデ、オオイヌタデの3種が混ざっていました。
タデの仲間は種類が多い上、パッと見はどれもよく似ているので、区別するためには
細部をよーく見てみないと同定できません。よーく見ることで、今度は別のものも目に
入るようになります。花穂に小さなカメムシが集まっていることに気が付いたのです。
しかも、これまた厄介なことに、ヒョウタンナガカメムシ亜科の区別の難しい連中が
複数種いるようです。これはこれは、タデの識別以上に深みにハマってしまいそう・・
花穂に集まっているのは、その植物の汁を吸いに来ているからだと思いますが、中には
写真のように交尾しているものまで。もはや、居座って生活の場になっているようです。
このカメムシはなんとか同定できました。モンシロナガカメムシという種類です。
アムールシロヘリナガカメムシ、オオモンシロナガカメムシなどとそっくりなので要注意。
ここまでくると、名前を噛まずに言えるかどうかというレベルですが、こんな小さな虫にも
しっかり名前が付けられていて、ちゃんと細かい特徴をもって分類されている、そう思うと
「難しい」とか「面倒くさい」とか以前に、「すごい世界!」と感動してしまいます。
彼らが生活の場にしていたハルタデはこんな植物です。特徴は葉の葉脈数や模様、茎の節に
ある托葉鞘という部分の縁などに疎らに毛がある点など。「これがハルタデです。」と示す
ためには、全形写真1枚だけでは不十分で、葉と托葉鞘の写真もセットで必要なのです。
ほら、雑草も昆虫に負けないくらい、奥深い世界でしょう?(←どうか嫌いにならないで!)
近くの猫じゃらし(ムラサキエノコロ)にも、ヒョウタンナガカメムシ亜科のカメムシが、
複数種群がっていました。猫じゃらしは、どこへ行ってもカメムシ人気が高いですね!
私には、そんなに夢中になるほど美味しい汁が含まれているとは思えないのですが?
・・さて、縁もたけなわではございますが、そろそろ、本を返しに行きましょうね。