top of page

マユタテアカネ

8月2日、相変わらず猛暑日が続いていますが、日没後はコオロギの音も目立ってきました。

来週は雨がちの天気になりそうなので、少しでも涼しい日が増えてくれますように・・

直射日光を避けてなるべく木陰を歩くようにしていると、よく見かける赤トンボがいます。

雑木林の日陰などに棲むマユタテアカネという種類です。顔の黒い斑紋がトレードマーク。

マユタテアカネという名前も、眉斑と呼ばれるこの斑紋を眉毛に見立てたものです。

そもそも目の下にあるのだから「眉というよりは鼻なのではないか?」というツッコミは

さておき、“眉立”という表現がどうも聞き慣れないので、気になって調べました。

結論から言うと、どうやら平安時代の貴族間で流行した“麻呂眉”のことを指すようです。

奈良時代には唐の影響で細い眉が主流だったそうですが、平安時代に入ると国風文化の波で

“おしろい”、“おはぐろ”とともに、あのやけに高い位置に描かれた丸くて濃い眉が

一般的となったのだとか。おかめのお面を想像していただければ、ピンとくるはずです。

言われてみれば、確かにマユタテアカネの眉斑も、おかめの眉毛と同じ形に見えます。

ちなみに、なぜ本来の眉毛を全部抜くという痛い思いをしてまで、高い位置に眉を描き、

しかも幅の無い丸い形にしようと思ったのかというと、表情を隠すためだったといいます。

眉毛は些細な感情の変化さえも表してしまうものなので、喜怒哀楽を表に出さず、あえて

表情を隠すことが高貴の証であるというのです。今の感覚からするとちょっと怖いですね。

トンボについて調べていたはずが、いつの間にやら平安時代の美容と美学についての学びに

熱中していたのでした。生き物の観察が、また一つ自分の世界を広げてくれた気がします。

今日はこちらの研修で講師を務めてきました。小学校向けの環境学習などを支援する団体、

「ひのどんぐりクラブ」の会員向けの研修会でしたが、学校教員や大学の先生も参加して

下さり、私たち自身もとても勉強になりました。お忙しい中、ありがとうございました!

Komentáře


Komentáře byly vypnuty.
bottom of page