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ブナ林の植物

5月4日、山梨方面へ出かけた際に、三国峠周辺のブナ林を少し歩く機会がありました。

標高1100mくらいなので、当然のことながらいつも見ている植生や植物相とはだいぶ

様相が異なります。林床の植生もシカの被食による影響を受けてスッキリ開けています。

車を降りるとすぐに、ツルシロカネソウが一面に咲き広がっていました。この植物はシカが

好まないようです。主に太平洋側の山地で見られる種類で、多摩丘陵には分布しません。

これまで関東圏では山梨県、神奈川県、静岡県などに生育することが知られていましたが、

2021年に青梅市の御岳山麓でも生育地が見つかり、東京にも分布することが判明しました。

梅の花を連想させる花は可愛くて品があります。白い花びら状の部分は萼片で、本当の

花びら(花弁)は中央に見える黄色い部分だそう。いつか東京の生育地も訪れたいものです。

同じ白い花で危うく見過ごすところでしたが、ミヤマカタバミが点々と開花していました。

八王子でよく見かけるカントウミヤマカタバミとは、葉裏の毛の量などで区別されます。

見かけはほとんど変わりません。ワチガイソウやミツバコンロンソウも咲いていました。

雄しべの赤い葯が愛らしいニッコウネコノメソウです。山は春が遅くてちょうど良かった!

スミレの仲間はすでに盛りを過ぎていました。なんとか咲き残っている株を見つけて観察。

順に、シコクスミレ、ヒナスミレ、タチツボスミレです。一足早ければもっと色々咲いて

いたはず。でも、30分ほどの散策でこれだけの種類が見つかれば、十分かもしれませんね。

歩くだけで心地好い空間でした。またいつか、今度は別の季節に訪れてみたいと思います。




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