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ヒメミクリと松木中学校職場体験

9月11日、外来種駆除ボランティアのTさんに同行して特別保全ゾーンに入りました。

長池の周囲はナラ枯れによって各地で落枝や倒木が発生しており、管理者も安全確保のため

最近はほとんど入ることはありません。細心の注意を払いつつ、危険の少ない水際を辿って

入江部の浅場湿地まで足を伸ばしました。埋土種子からの発芽によって希少な湿生植物が

群落を作っている場所です。再生した植物の生育状況を定期的にモニタリングしています。

湿地には夥しい数のヒメミクリが開花・結実していました。東京都内でこれだけの個体数が

生育しているのはおそらくここだけでしょう。花期は長く、まだ咲き始めて間もないものや

すでに果実が成熟したものまで様々です。ジュンサイやミズユキノシタと同じように、

60年以上ぶりに埋土種子から復活した植物の一つですが、喜んでばかりもいられません。

ヒメミクリが湿地に生い茂ることで、今度は他の希少植物の生育を妨げてしまうからです。

そのため、適度に攪乱したり、間引いたりして群落のバランスを整える必要が出てきます。

その他では、写真のボントクタデとアオコウガイゼキショウをはじめ、コアゼガヤツリ、

アギナシ、トウゴクヘラオモダカ、ミズユキノシタ、ジュンサイ、コマツカサススキ、

カンガレイ、サワギキョウ(湿地再生後に移植)などの生育を確認することができました。

今後もこの豊かな環境が維持できるよう、手を入れつつ見守っていきたいと考えています。

ところでこの日から松木中学校の職場体験が始まり、3人の学生が活動してくれています。

初日の午前中は、長池前のリンドウ移植保護区画の手入れを行いました。夏草に埋もれて

全く姿が見えなくなっていたリンドウを救出し、ついでに周囲も綺麗にしてくれました。

作業後は、長池で捕獲してきたアメリカザリガニを観察。とても積極的な3人なのでした!


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