top of page

パークキッズレンジャーの活躍と発見の数々

9月3日、堀之内沖ノ谷戸公園でパークキッズレンジャーの定例活動を実施しました。

希少種クチナシグサ保護柵内の草取りと、展望台周囲の植栽に絡んだクズ除去です。

保護対象のクチナシグサやヒメヨモギなどに注意しつつ、背の高い雑草を中心に

手刈りを行い、次々に飛び出してくるバッタ類などの記録も行いました。

展望台からの眺望を邪魔していたクズのつるは、みんなで声を掛け合って「大きなカブ」の

ように引っ張ったり、剪定鋏でカットしたりしながら除去し、楽しく汗を流しました。

元気いっぱいの子どもたちと気合い十分の親御さんたちの力で、景色が見違えましたよ!

活動の様子は、記事の最後に写真をまとめて載せますのでぜひご覧下さい。

さて、今日もキッズが数々の発見をして驚かせてくれました。その一部を紹介します。

まずはこちら。Yくんが拾ってきたこの大きな羽の落とし主は、なんとフクロウ。

翼の先端付近にある初列風切という羽です。肉食の大型鳥類は生態系の頂点に君臨し、

個体数が少ない上に、他の生き物に襲われることが無いため、羽を拾う機会は稀です。

小さい頃から野鳥の羽を収集してきた私も、フクロウの翼の羽はこれまでに3回しか

拾ったことがありません。羽が落ちているということは大事な生息の証でもあります。

フクロウの生息には、食糧となる野ネズミが豊富に棲む見通しの良いドングリの林や、

樹洞のある大きな大木が残っている鎮守の杜などの豊かな環境が不可欠です。

住宅地のど真ん中に取り残されたこの緑地も、まだまだ捨てたもんじゃありませんね。

続いてはこちらの美しいバッタ。クルマバッタという種類で、複数匹いました。

後ろ翅に車輪状の鮮やかな模様が入っていて、飛ぶ際にも車輪を回すような音がします。

生息地は多くありませんが、堀之内東山住宅周辺では比較的よく見つかるバッタ類です。

昨年10月にも同じ場所で観察しているクマスズムシ(雌)と、今年も出会えました。

黒い体にオレンジの脚が映える、風変わりな昆虫です。面白い顔立ちのミツカドコオロギ、

“アリジゴク”ことウスバカゲロウの幼虫なども、子どもたちが見つけてきてくれました。

子どもたちに負けじと、私もクズの花に隠れていたウラギンシジミの幼虫を教えます。

すると今度は、近くのネット遊具で遊んでいたガールズチームが、足もとの砂地で、

麻痺させたセスジツユムシを抱えて巣穴へ運び込もうとするクロアナバチを発見!

遊んでいてもしっかり生き物は見逃さないところ、さすがはパーキッズです笑。

作業に夢中で写真に撮り損ねてしまったのですが、他にも数々の発見がありました。

ところで、ちょっと可哀想ではありますが、現地へ向かう途中、ロードキルによって命を

落としたニホンアナグマの死骸を見つけたので回収し、パーキッズにも見てもらいました。

子どもに死骸を見せるなんて・・と思われるかもしれませんが、間近でじっくり観察できる

貴重な機会であり、また、交通事故死によって非常に多くの哺乳類が命を落としている

事実も知ってもらいたかったのです。初めて本物のアナグマを見る子どもや保護者も

多かったようで、真剣に観察してくれました。私たちにとっては全てが教材です。合掌。

それではお待ちかね、楽しそうに躍動するパーキッズ&ご家族の様子をご覧下さい。

最後におまけです。午後から、東京都立大生のインターンシップを受け入れました。

築池で採取したマミズクラゲの生態展示や、園内のサイン掲示などに取り組みました!


Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page