6月28日、ある研修会の打ち合わせで日野市の緑地を歩いている時に、習慣化している
樹木の名札めくり(裏側に何か生き物が潜んでいないか気になる)をしていたら、
生き物の卵を見つけました。小さくてもしっかり“卵”なので、思わずドキッとしました。
名札の裏にピッタリ接着して産み落とされた2つの卵の正体は、ニホンヤモリです。
色が白いので、産み落とされたばかりか、無精卵か、どちらかなのでしょう。
他の場所でも樹木の名札をめくったらヤモリが3頭も飛び出してきたことがあるので、
このわずかな空間が、彼らにとって居心地の良い物件になっているのかもしれません。
さて、今日の午前中は堀之内東山はぐくみの森緑地の一角にある、希少植物バアソブの
生育地で、マスターズプログラムの活動を実施しました。だいぶ荒れ始めていたので、
竹や下草、つるなどを適正な量に抑えつつ、草地環境を取り戻すことを優先しました。
1枚目は作業前、2枚目は作業後です。保全対象のバアソブがつる植物なので、つるが
巻き付いて上に登っていくための足掛かりとして、ある程度、竹や低木を残してあります。
東山の住宅地に隣接する緑地とはいえ、立ち入りが困難なほど山深いこの場所。
周辺ではサンコウチョウがさえずり、キビタキの番いと巣立ち雛の声がしていました。
苦労して足を運ぶたびにたくさんの出会いがあり、生物相の豊かさを実感します。
作業の合間には、エゴノキの虫こぶ(エゴノネコアシ)、バラの花のごとく放射状に並んだ
苞が美しいオオバギボウシ、咲き始めたばかりのチダケサシやアキノタムラソウなども
観察して盛り上がりました。作業の成果や効果だけでなく、“今この時”を味わうことも、
保全活動においては重要な要素と考えています。その時の情景を記憶し、記録するのです。
作業を終えた帰り道、所用で秋葉台公園に立ち寄ると、ピラミッドのノウゼンカズラが満開
でした。子どもたちの描いた鳥のウォールペイントと相性も抜群。う~ん、トロピカル!!