7月2日、今日は大塚どんどん橋緑地で観察された竹の一斉開花現象について紹介します。
今年5月、巡回から帰ったスタッフから「竹の花が咲いていた」との報告を受けました。
当初、天狗巣病の誤認か、稀に見られる偶発的な部分開花ではないかと思いましたが、
先日6月29日の巡回当番の際に現場を見にいってみると、竹林全体が開花していました。
大半はすでに咲き終わったあとの状態でしたが、一部はまだ咲き残っていてくれました。
いかにもイネ科っぽい雄しべがちょろんと垂れているだけの、大変地味な花です。
なお、竹の種類は、日本三大有用竹の一つに数えられるハチク(淡竹)でした。
竹の花が咲くことは一般にごく稀で、開花周期が60年から120年と非常に長いことが
知られています。咲くときには「同調性」といって、各地の竹林で開花のタイミングが
重なり、一斉に咲いたあと、種子もほとんど作ることなく、全て枯れてしまうことから、
“不吉の象徴”とも。周期は種類によって異なり、ハチクは約120年周期で開花すると
言われています。1908年に一斉開花した記録が残っているそうなので、ちょうど現在、
2020年代が次の開花ピークと予想され、実際に全国各地で一斉開花が確認されています。
大塚どんどん橋緑地のハチク林も、120年に一度の一斉開花が生じたものと思われます。
このあと本当に全て枯死してしまうのか、タケノコは発生しないのか、など、疑問は
尽きないので、引き続き、時々様子を見に来て経過を観察していく予定です。
ところで、120年前というと、今話題の植物学者「牧野富太郎」が活躍した時代。
果たして、牧野博士もハチクの花を見ることができたのでしょうか?
一方、別種のマダケについては、次の一斉開花は50年も先と推測されています。
果たして、私はマダケの花を見ることができるのでしょうか?