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ハチオウジアザミの訪問者たち

10月18日、自然館の中庭テラスで保護栽培中のハチオウジアザミが、満開を迎えています。

連日、たくさんの昆虫が蜜を求めて飛び回っており、訪花昆虫の観察にはもってこいです。

昼行性の蛾の一種、ホシヒメホウジャクが、まるでハチドリのごとく飛び回っていました。

ここで見られるホウジャクの仲間では、もっとも数が少ない種類です。止まっているときは

枯れ葉そっくりなのですが、飛翔するときは翅を素早く動かしているので別人のようです。

よく見ると、ホウジャクの仲間ではあまり見られない蜜の吸い方をしています。ホバリング

しつつ、前脚を花にわずかに引っかけて、体を安定させながら吸う行動が観察されました。

こちらは2番目に数が少ないヒメクロホウジャクです。以前も、ぬいぐるみのようで可愛い

ホウジャクとして、表紙に取り上げたことがありましたね。ホウジャク2種とオオスカシバ

もっとも数多く見られるホウジャク類が、このホシホウジャクです。ブーンと羽音を立てて

花の周りを飛び回るハチのような蛾を見つけたら、たいていはこの子でしょう。蛾だという

ことを知らなければ、一瞬、ビクッとしてしまうかもしれません。まずはこの子と仲良く

なりましょう。ホシホウジャクの模様を覚えておくと、他種を見分けるのがとても楽です。

写真でも模様がくっきりわかると良いなぁ・・と思っていたら、公園スタッフのFさんが

ちょうどホシホウジャクの見事なピタ止め写真を撮ってくれていました。素晴らしい~!

一瞬にして次の花へとワープするように駆け抜けていくホウジャクを尻目に、のんびりと

食事を楽しんでいる昆虫もいます。特にハチは花粉まみれになり、受粉に貢献しています。

昆虫ばかりに目移りしてしまいますが、ハチオウジアザミ自体もとても希少な植物ですので

ぜひじっくりと観察してみて下さい。横向きに咲く花が多く、雰囲気はタイアザミ似です。

ハチオウジアザミの分布や形態については、現地の解説プレートに詳しく書かれています。

植物好きさんも昆虫好きさんも、ハチオウジアザミを眺めて過ごしてみてはいかがですか?


 
 
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