12月7日、調査の仕事で訪れた市内の民有緑地、遠くの木立にハイタカが止まりました。
しばらく観察していると、ふいに飛び立ち、頭上を通って飛び去っていきました。
ハイタカは山地や高原で繁殖し、秋になると丘陵地や平野部へと移動してくる渡り鳥です。
国内での周期的な移動を繰り返す野鳥を漂鳥といいますが、漂鳥の群れが山を下りるのに
合わせて、彼らを食糧とするハイタカたちもその後を追いかけるかのように渡ってきます。
この緑地の林床や林縁には、他ではあまり見かけないオオモクゲンジという中国原産の
樹木の実生個体がたくさん発生していました。小さいうちは縁にギザギザがあります。
これだけ実生があるということは、親木がどこかにあるはず・・と思って探してみました。
少し離れた伐採地の縁に、大きな親木を発見。親木の下には巨大な葉が落ちていました。
縁にギザギザは無く、実生木の葉からは全く想像できない、まるで別人のような葉です。
1枚目には2枚の葉、2枚目には1枚の葉が写っています。そして3枚目は色褪せた果実です。
オオモクゲンジの成木の葉は、とてもユニークな付き方をしていることに気付きました。
1枚の大きな葉は2回羽状複葉という形で、対生と互生、奇数と偶数が、それぞれ規則性を
もって配列されているのです。写真の黄色は1枚の葉(複葉全体)を示し、対生部分を赤色、
互生部分を水色で囲ってみました。見れば見るほど、本当に不思議な葉の持ち主です。
私たちが管理している公園内では見られない樹木ですが、近隣でも稀に植えられています。
もしもどこかで出会う機会があれば、花や果実だけでなく落ち葉にもご注目下さい!
午後からは堀之内東山方面の巡回清掃へ。各地でエゴノキの返り咲きを目にしました。
エゴノキが秋に咲くことは決して珍しくないので、皆さんもぜひ探してみて下さい。
堀之内東山そらみの森緑地のセンブリは、無事に開花を終えて実を結んでいました。
地面に張り付いた越冬葉は、先月よりも心なしか大きく成長したように見えます。
今後、オフシーズンも生育状況を確認するために時々立ち寄りたいと考えています。
今日から二十四節気の「大雪(たいせつ)」に入ります。あたたかくしてお過ごし下さいね!