6月12日、前夜から熱中症の症状で本調子ではない中、民有緑地の調査へ出かけました。
樹林内は日陰となり涼しいので、休憩と水分を多くとり、昼までには切り上げることに。
歩き始めてすぐに、大きな甲虫が飛んできました。止まった辺りを探すと、今シーズン初の
ノコギリカミキリが姿を見せてくれました。ノコギリ○○といえば、ノコギリクワガタを
連想する方も多いでしょう。ノコギリクワガタの鋸は大顎、こちらは触角の形を指します。
言われてみれば、ノコギリの刃を彷彿とさせるギザギザした触角がとてもユニークですね!
雑木林の中では、イチヤクソウの花が点々と咲いていました。この花が咲くと、梅雨入りも
間近という感じがします。薄暗い林床を照らすランプのようで、見とれてしまいました。
葉が半常緑性なので、地際から綺麗に草刈りしてしまっているような環境ではまず見られ
ませんが、そうかといって手入れが全く停止すると衰退してしまう、そんな植物です。
夏の雑草、ママコノシリヌグイも咲いていました。茎全体に鋭い刺があり、藪を歩き回る
調査ではちょっと厄介な存在です。この刺をよく見ると、一様に斜め下を向いています。
斜め下向きの刺は、周囲に生育する他の植物に引っかかってよじ登っていくためのもの。
このような刺を持つ植物は結構多く、ヤエムグラやジャケツイバラなどがあります。
じつは、刺の向きによってその植物が“何のために刺を持っているか”がわかるのです。
刺のある植物に出会ったら、その場を退散する前に、刺の向きを観察してみて下さいね!
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