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ニワトコに集まる虫たち

4月9日、先日8日の植物講座では多様な昆虫も観察することができました。

植物をじっくり見ていると、視点が虫目線になるからか、昆虫たちと目が合うのです。


長池公園では園内のあちこちで見られる、ニワトコという樹木があります。

このニワトコの幹や葉を、何匹ものアリが行き来していることに気付きました。

飛べないアリがせっせと木登りをするのには何か目的があるはずです。

観察を続けると、葉や小葉の付け根に左右対称の突起があり、どうやらこの突起が

花外蜜腺らしいことを突き止めました。花外蜜腺は、花以外の器官から蜜を出すもの。

例えば、サクラは葉の縁や柄の部分に突起があり、ここから甘い蜜を分泌します。

花外蜜腺によってアリを誘う代わりに、アリを利用して食害などから身を守る戦略です。

つまり、先ほどのアリたちは、ニワトコの花外蜜腺を目指して歩き回っていたのですね!

ちなみに、「ニワトコは3種類の花外蜜腺を持つ」ということが、すでに京都大学の研究で

明らかにされていましたので、興味のある方はぜひ検索してみて下さい。

1本のニワトコを観察していると、葉の上や裏側にはじつに多くの虫が止まっていました。

ニワトコにやってくる目的はそれぞれ違うようですが、まるで“昆虫博物館”ですね。

左上から順に、コヨツボシケシキスイ、イタドリハムシ、ツヤチビヒメゾウムシ、

スグリゾウムシ、ハエトリグモの仲間です。(※6枚目はニワトコの花と葉の様子。)

同じ木で、コブヒゲカスミカメというカメムシのような昆虫を発見。(雌:写真1枚目)

春に姿を現し、コナラなど様々な広葉樹で見られるカスミカメムシの仲間です。

じつはそのあとに園内の他の場所で、全く別の種類だと思って観察していた昆虫も

同じコブヒゲカスミカメ(雄:写真2枚目)だったことが判明して驚きました!

雌と雄でこんなに色彩が違うなんて!・・これにはいったいどんな意味があるのでしょう?

昆虫は専門分野ではないのですが、それもあって日々の発見が楽しくて仕方ないこの頃。

このままどっぷり“昆虫沼”にハマってしまうのでしょうか。いや、きっともう沼の中・・

皆さんも、道端に生えるニワトコの木から、虫目線の自然観察を始めてみませんか?

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