4月11日、今年度も民有緑地の調査のお仕事が始まり、市内各地を廻り始めました。
この日はよく晴れた調査日和で、多くの草花を同定に苦労することなく記録できました。
そんな中、全体の特徴はクコっぽいけれど、いまいち自信の持てない植物が現れました。
草刈りの影響なのか、全体に寸詰まりで葉がくたびれて、パッと見が別人だったのです。
その葉上にはおびただしい数のハムシが集まっていました。ハムシは種類によって食草が
ほぼ決まっているので、ひょっとしたらハムシの種名を調べた方が早いかもと思いました。
調べてみると、トホシクビボソハムシであることがわかりました。名前のような“十星”の
斑紋があったり、あるいは全く無かったり、個体によって模様が違うのが面白い特徴です。
さて、このトホシクビボソハムシの食草はなんとクコ一択とのこと!予想どおり、グルメな
ハムシのおかげで正体を確定することができました。ハムシのほうが眼がいいんだなぁ・・
調査中の一コマです。順に、フタホシハバチ、ジロボウエンゴサク、マルバスミレ、
クサボケ、ジュウニヒトエ、ウラシマソウです。里山らしい植物が豊富で楽しくなります。
調査を終えて長池公園に戻ると、中央園路(駐車場裏)のホタルカズラが開花していました。
濃い緑の茎葉が絨毯のように広がり、その中に瑠璃色がポツポツと浮かび上がっています。
カタクリ観察路入口のワダソウ、カタクリ群落内のイチリンソウ、そして梅園付近では
フデリンドウも咲いていました。雑木林の芽吹きのシーズンに花盛りとなる花たちですね。
つくいけの道の左手、斜面の上のほうにヤブレガサの群落があります。面白い形の芽生えが
落ち葉を掻き分けて伸びてきました。その葉上に、面白い形をした昆虫を見つけました。
前胸に風船のような突起があります。まるで、遊園地のアトラクションに乗る時に首を
守るために上からカポッと下がってくるアレのようです。(安全ベルトだったかな・・?)
この不思議な昆虫はエグリグンバイというグンバイムシの仲間。ふだんは自然館前にある
フキの葉の裏などでよく目にする昆虫ですが、同じキク科のヤブレガサで見たのは初めて。
新しい観察スポットを発見できて大満足です!昆虫と植物の繋がりを味わった一日でした。