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チャボウシノシッペイ

8月13日、雨が降ったり止んだり、台風の接近を感じさせる不安定な天気でした。

買い物のついでに、少しマニアックな外来雑草、チャボウシノシッペイを観察しました。

長池公園に隣接するグラウンドと、大型商業施設の駐車場との境界部に群生しています。

八王子市内では七国や片倉町の造成地に多く、御殿峠より東側の地域では稀な植物です。

東南アジア原産のイネ科植物で、除草の省力化を目的として各地に導入されています。

“チャボ”の名前のとおり背が低く、茎が匍匐して芝生状に広がる性質を利用して、

他の大きな雑草が蔓延るのを防ぐそうです。水田の畔に植えられることもあるのだとか。

確かに全体の雰囲気はシバとよく似ていて、“ムカデシバ”の異名も頷けます。

こちらは、先日7/20の記事にも登場した在来種のウシノシッペイ(長池公園自生品)です。

すくっと立ち上がった植物体は枝を分けて1m以上になり、花穂をたくさん付けます。

それらの点でチャボウシノシッペイとは区別できますが、花だけを見ればそっくりです。

ちなみにウシノシッペイは、水路や田んぼの縁など日当たりの良い湿地に生育しますが、

減少傾向にあります。生育に適した環境そのものが減っているのでしょう。

昨年まで南大沢駅前の路傍にも群生していたのですが、今年見に行ってみると、

一帯が除草シートに覆われてしまっていて、見る影もありませんでした。

緑化資材として重宝されるか、雑草として邪魔者扱いされるか、同じ仲間であっても、

人との関わりにおいては、両者で明暗が分かれているようです。

おまけ。先月、近畿地方以西にのみ分布するコバノウシノシッペイ(植栽品)を見ることが

できました。ウシノシッペイとそっくりで、細かい部位を確認しないと区別できません。

雑草探求の楽しさを知らなかったら、こんな“草”に気が付くこともなかったでしょうね。

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