3月5日、長池公園ではイカルが朗らかにさえずり、姿も見せてくれました。
そのそばで、モズの雄はいつもの高鳴きとは別人のような歌声で雌を誘っていました。
今日はそんな鳥たちの声をBGMに、パークキッズレンジャーの定例活動が行われました。
ミッションは、希少植物タマノホシザクラの救出とヤマアカガエルの卵塊調査の2つです。
タマノホシザクラは3月下旬頃に花を咲かせる早咲きの桜の仲間。
ムサシノキスゲと並ぶ東京都固有の植物であり、由木周辺のみに分布する貴重な種類です。
地域での消失が、種そのものの絶滅に直結することもあって、
私たちが保全にもっとも重点を置く、優先保全対象種に位置付けています。
各地での生育環境保全のほか、長池公園では移植個体の地域外保全に取り組んでいます。
最近、それらの移植個体(4株)全てに「黒色膏薬病」の発生が確認されました。
幹に黒いカビの一種が付着しており、何とも痛々しい外観になっていたのです。
そこで今回はパークキッズレンジャーの力を借りて、このカビの除去と、樹木に寄生して
カビ発生の原因となっているカイガラムシの除去を、手作業で実施しました。
樹皮を必要以上に傷付けないために、亀の子だわしや毛のブラシを使って擦り落とします。
これが結構な重労働で、擦っていると嫌な臭いも漂ってくるので余計に大変でした。
それでも何とか、4本のタマノホシザクラの目立つカビは全て落とすことができました。
みんな、本当によく頑張ってくれてとっても助かりました。
カビを擦り落とした跡には、薬剤の代わりに殺菌効果のある木酢液を塗ってみる予定です。
ともかく、今シーズンもきっと美しい花を咲かせると思いますので、どうぞお楽しみに!
作業の後は、お楽しみの自然観察の時間です!
ヤマアカガエルの卵塊はもちろん、誰からともなく、子どもたちの間でノビル掘り大会が
始まったり、地上に顔を出したカタクリの葉を観察したり、寝起きのコアシダカグモを
手に乗せたり、孵化したばかりのヘラクヌギカメムシの赤ちゃん集団に感動したり・・
まるで水を得た魚のように大盛り上がりの子どもたち、そして大人たち。
公園スタッフは、こんな素敵な時間を皆さんと一緒に過ごせることが何よりも幸せですよ!