7月18日、つくいけの道沿いの集草場に、昨年からソクズという植物が発生しています。
湿った林縁などに群生する植物で、近隣には何か所か自生地があるものの、長池公園では
これまで見つかっていませんでした。おそらく、他公園から搬入した土や草木に紛れて
いたのでしょう。侵略性の高い外来種などの場合はすぐに手を打たなければなりませんが、
在来種(※古い時代に帰化したといわれる)で影響も少ないので、そのままにしています。
これらの写真は、先日の講座中に観察したソクズの花と、そこに集まる虫たちの様子です。
ソクズの花には蜜が無く、代わりに同じ花序に蜜腺体と呼ばれる壺型の構造があります。
壺の中にはたっぷりと蜜が入っており、虫たちはこれを目当てにやってきているのです。
試しに舐めてみると、わずかに甘みを感じることができました。花と蜜が別々で存在する
ことの意義はよくわかりませんが、アリたちが夢中で壺の中に顔を突っ込んでいました。
歩き回るアリたちが送粉を担っているのか、それともニワトコやサクラの花外蜜腺のように
害虫除けとして手懐けられているのか、いやいやどちらでもないのか・・気になりますね。
よく見ると、5枚目の写真のアブは蜜腺体ではなく花に止まっています。お目当ては花粉?
こちらはヤブミョウガの花です。ヤブミョウガは薄暗い林床でよく目にしますが、その花に
虫がやってきているところはあまり見たことがありませんでした。ミツバチなどに擬態する
ハナムグリの仲間、ヒメトラハナムグリが飛んできたので、じっくり観察してみました。
前脚を器用に動かして、花粉を口に突っ込んでいきます。その様子はまるで赤ちゃんの
“掴み食べ”そっくりで、思わず笑ってしまいました。「口にいっぱい突っ込みすぎ!」
一方、自然館駐車場内の花壇などでは、背高のっぽのメハジキとオミナエシが開花中です。
これらの花にはハチなどの昆虫がやってきます。メハジキにはナミルリモンハナバチや
アオスジハナバチ、オミナエシにはオオセイボウがそれぞれ訪花することがあるので、
運が良ければ、彼ら“ブルービー(幸せの青い蜂)”と出会えるかも・・(※車にご注意を!)
おまけ。ルリボシカミキリ、ウワミズザクラ(果実)、ムクゲです。いやはや、夏ですね~。