12月13日、気持ちよく晴れた空の下、調査の仕事で市内の民有緑地を廻ってきました。
どこからかジョウビタキの声が聴こえたかと思うと、すぐそばに現れました。
調査の傍ら、ジョウビタキやルリビタキと戯れる時間は、私にとって冬の風物詩です。
今日歩いた雑木林では、美しく黄葉したコアジサイがあちこちで目に付きました。
アジサイの仲間だからきっと葉痕(葉の落ちたあとの断面)が“顔”に見えるはず・・と
思って近くでよく見てみました。真正面ではなく、葉痕が対になっている側面から見ると、
なんだか動物的な癒し系の顔が現れました。皆さんは何に見えますか?・・クマ?カニ?
写真を逆さまにすると、今度は鳥たちが現れます。内側を向いた冬芽が翼のミミズクさん?
さて、このコアジサイですが、由木地区ではほとんど見かけません。ところが丘陵上部の
長沼公園や平山城址公園などでは決して珍しくない存在です。御殿峠付近の深い谷に入ると
一面に群生しているのに出会って感動したことがあります。こうした分布の偏りは単なる
偶然ではありません。コアジサイが、多摩丘陵北西側に分布する御殿峠礫層の堆積面で
「多摩Ⅰ面」と呼ばれる区域に特徴的に出現する植物だからです。他に、ヤマウルシや
ヤマトアオダモも同様の分布を示します。多摩Ⅰ面で見られる植物は、北東側の多摩Ⅱ面と
比べてより山地を好む種類が複数含まれており、西部山地との連続性を強く感じます。
植物の分布を地形学的な視点で捉え直してみると、調査がいっそう楽しくなりますね!
おまけ。午後の調査では、鶏糞(?)が山積みにされた斜面を歩き回ったせいか、
しばらく悪臭がとれませんでした。夕方の会議がオンラインで本当に良かった・・!!