4月21日、汗ばむ陽気の中、早くもハリエンジュ(ニセアカシア)が咲いていました。
雑木林は青葉の季節となり、“白い花”の咲く樹木が目立つようになってきました。
花の形や付き方は種類によって違っていて、とてもバラエティに富んでいます。
写真は順に、ヤブデマリ、ミズキ、ツクバネウツギで、どれも自然館周辺で花盛りです。
体験ゾーンの炭焼き小屋付近や近隣の浄瑠璃緑地入口で咲き始めたサワフタギには、
まるでテレビのリモコンのようなカラーリングのイモムシがいました。
サワフタギなどの葉を食べて育つ、シロシタホタルガの幼虫です。
虫好きの人なら、サワフタギを見ると無意識に探してしまう虫の一つかもしれません。
このイモムシは、毒針こそ持たないものの、驚くと毒のある粘液を出します。
粘液が皮膚に触れると、半日後くらいから炎症や痒みが出てくるそうなのでご注意下さい。
一方、小鳥は渡りのシーズンに突入しています。5月連休にかけて、毎日気が抜けません。
続々と夏鳥が渡来する中、これから渡り去る冬の小鳥たちの行動にも変化が。
2021年は、長池公園内にアカハラ(100羽以上)やクロジ(約50羽)が飛来したこともあり、
繁殖地への移動の途中、小鳥の大群が1~数日間だけ立ち寄っていく時期なのです。
写真はビンズイというセキレイの仲間です。(※1枚目のみ別の公園スタッフが撮影。)
亜高山帯で繁殖し、“ビンビンズイズイ”とさえずることから名付けられました。
秋になるとこの辺りにも群れで渡ってきて、あちこちで見ることができます。
“ズイー”と鳴きながらパラパラと飛んでいく、スズメのような群れの正体がこの鳥です。
身近な割にあまり知られていないのは、シンプルな外見と鳴き声のせいでしょうか。
この鳥を一言で表すなら「いっぱいいるのに気付いてもらえない小鳥」かもしれません。
ビンズイは、冬場は芝生や松林にいてミミズなどを食べていますが、青葉が繁ってくると
雑木林の内部へ移動し、青虫を食べて過ごします。そして、5月半ば頃までには繁殖地へと
渡り去っていきます。つまり、越冬期と渡去前とで生活空間や食性が変化するのです。
先ほど話題に触れたアカハラやクロジも同様の傾向があり、アカハラは水辺の灌木林など
から、クロジは薄暗い谷のササ藪などから、それぞれ雑木林へ移ってきて短期滞在します。
青葉が展開してくると、それらを食べるイモムシが一斉に現れ、多くの小鳥は子育ての
ためにイモムシを摂食します。しかしながら、渡り始めの遅いビンズイなどのように、
中には“渡りのエネルギー源”としてイモムシを摂食する小鳥もいるというわけです。
こうした行動生態について図鑑には書いておらず、日々の観察を通じてわかってきました。
続ければ続けただけ“気付き”があるからこそ、野鳥観察はやめられないんですよね!
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