5月24日、10時半頃に自然館前の巣箱から7羽のシジュウカラが巣立っていきました。
4月10日の巣材運び込みから、来館者の皆さんとともに1ヶ月以上見守ってきたので、
運良く旅立ちの瞬間に立ち会うことができて感動しました。写真は最後の1羽です。
巣立ち寸前の巣箱内の様子と、別のスタッフが撮影した外からのカットもご紹介します。
親鳥の先導で、巣立ちヒナたちは園内の雑木林の中へあっという間に移動していきました。
夕方、ダイヤルを回して中庭の巣箱を確認したスタッフがびっくり!なんと新たに別の
シジュウカラが巣材運びを開始していたのでした。この巣箱は、4月にヤマガラが営巣した
ものの、残念ながら孵化後間もないヒナが全滅してしまうという悲劇に見舞われました。
(※詳しい原因はわかりませんが、巣箱内部で大量のアリが繁殖していたことが関係?)
その時、私は動かなくなったヒナたちを回収し、樹林内にお墓を作って埋めました。
そして、もしかしたらまたこの巣箱を使ってくれる小鳥が現れるかもしれないと、提供者の
Iさんが巣箱内部を消毒・洗浄して下さったのです。今度こそ、中庭の巣箱でも繁殖が成功
することを願うばかりです。これからまた1ヶ月、みんなで温かく見守っていきましょう!
さて、この日の午前中は別所小学校2年の生活科授業対応で、昆虫の観察を行いました。
素直で積極的な生徒が多く、授業も円滑に進みました。単元としては生活科になるので、
昆虫の探し方から生息環境、暮らしと成長、体のつくりの違いなど、ただ観察するだけでは
なく、科学的な側面についてもできる限り丁寧にレクチャーすることを心がけました。
その甲斐あって、子どもたちからの質問もたくさん寄せられ、有意義な時間となりました。
冒頭に「虫が苦手な人?」と質問した時には約50人のうち半数以上が手をあげましたが、
授業終了後にまったく同じ質問をしてみると、わずか3人しか手をあげませんでした。
「苦手だったけれど好きになった!」と言ってくれた子がいたり、マダラアシゾウムシを
手に乗せて、「ゾウムシは可愛いと思った!」と話してくれた子がいたので、この短時間の
体験を通して意識が変化したのだと思います。もちろん、その変化を導いてくれたのは、
もともと虫好きの子たちが率先して昆虫を見つけたり捕まえたりしてくれたおかげです。
ちなみに、私も幼い頃は虫が苦手なほうでした。観察と体験の積み重ねが大切なんですね!
子どもたちを見届けたあと、足もとの草むらからウグイスナガタマムシが出てきました。
右翅が傷んでいるからか、すぐに飛んで逃げることもなく指に乗せることができました。
飛び去るまでの数分間、私も初心に帰ってじっくり“観察と体験”を楽しんだのでした。