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コナスビと刈り残し

7月28日、パリオリンピックが始まっています。選手の活躍にエールを送りたいですね!

さて、皆さんはこちらの花を見たことがあるでしょうか?花の大きさは直径わずか1cm。

5枚あるように見える花びらは一つ繋がっている合弁花で、鮮やかな黄色をしています。

必ず葉の陰に咲いているので、ほとんどの方が気付かずに素通りしてしまうでしょう。

でも、庭先や道路の植え込み、芝生や林縁に至るまで、どこにでも生える雑草なのです。

サクラソウ科の中ではもっとも身近に見られるコナスビという種類。とにかくどこにでも

あり、しかも葉はほとんど一年中見ることができるので、植物の調査では必ず登場します。

そんな顔なじみのコナスビですが、名前の由来にもなっている果実をちゃんと観察した

ことがありませんでした。本当に“ナスビ”に見えるのか、検証してみたいところです。

ついマニアックな植物ばかり取り上げてしまっていたので、たまには身近な植物を・・

先のコナスビを撮影したのは、こんな場所です。長池公園の南の外れにあるやまざと広場。

緑地作業班が刈り残してくれた島状の草っぱらの中に、埋もれるように咲いていました。

このような刈り残しは、草刈りで居場所を失われたバッタなどの小動物の退避場所としての

役割を果たすとともに、昆虫などを積極的に呼び込むビオトープにもなると考えられます。

この小さな空間の中に、実際どれくらいの昆虫が生息しているのか気になり、草刈り作業の

翌日に調査してみました。すると、ホシササキリ、ショウリョウバッタ、マメコガネなど、

10種類以上の昆虫が高い密度で利用していることが確認できました。想像以上の効果です!

広場の全面を綺麗に刈るのは簡単なことですが、生き物の住処を考えてうまく残しながら

刈るのは決して容易ではありません。しかし、刈り残しをする価値は十分にありそうです。

今後もそこに暮らす生き物たちの営みと向き合いながら、試行していけると良いですね。

おまけ。自然館スタッフ渾身の「長池公園 花のクロスワード」が掲示されています。

季節ごとに、その時期にぴったりの素敵な“言葉”を紹介していきますので乞うご期待!

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