1月18日、近隣の公園で遊んでいると、目の前のケヤキに小鳥の群れが現れて急に賑やかに
なりました。エナガやシジュウカラの混群です。冬鳥が少ないといわれる今シーズンは、
彼らの存在がとてもありがたく感じます。こんな年こそ、身近な小鳥をゆっくりじっくり
観察しておきたいものです。声だけで正体がわかってしまうため、案外ちゃんと見ていない
種類も多く、どんな行動をしているか、何を食べているのか、注目すると発見の連続です。
先ほどの混群で後れをとって飛来したのは4羽のコゲラです。日本最小最軽量のキツツキと
して知られています。小さくても外見や習性はキツツキそのもので、背中の縞模様がいい味
出しています。写真の子は、よーく見ると後頭部に赤いワンポイントが入っていました。
このワンポイントは雄の特徴です。羽に隠れがちな上、場所が場所だけに後頭部から流血
しているように見えなくもないのですが、赤い部分も羽毛なのでご安心を。キツツキの
仲間は全体は雌雄でほとんど変わらないものの、このように頭や体の一部のワンポイントが
雌雄を区別する手がかりになっている種類が結構あります。雄同士で戦う時や雌にPRする
時など、いざという時に、このワンポイントを目立たせるなどして活用されるのでしょう。
ここからは全く余談ですが、コゲラの仲間を調べていると、海外に「ユウウツコゲラ」の
和名を持つ鳥がいることを知りました。和名に「憂鬱」が入っている生きものなんて、
これまで聞いたことがありません。日本の鳥ではないので手持ちの図鑑類で調べることは
困難なのですが、どうやら学名の種小名である「lugubris」を和訳した表現のようです。
同じ種小名を持つヤマセミは、山奥のダムや渓谷から聴こえてくる声が“悲しげ”である
ことから学名が付けられたそうなので、きっとユウウツコゲラもその声が由来になって
いるに違いありません。気になってweb上で音声データも聴いてみたのですが、あまり
憂鬱そうでも悲しげでもありませんでした。やはり、シチュエーションが大事なのかも?
おまけ。冬鳥が少ないと書きましたが、ジョウビタキだけは例年どおり、あちこちで目に
します。特に雌は格別に可愛いので、見かけるたびについカメラを向けてしまいますよね!