4月28日、自然環境調査の仕事で市内の民有緑地を歩いていた時のこと、林縁の陽だまりに
様々な昆虫たちが集まっていました。調査対象は植物が主ですが、生き物も記録します。
「ナナホシテントウ1匹・・」と書こうとして「ん!?」と二度見してしまいました。
体が長くて模様も違っていますね。正体はクロボシツツハムシというハムシの仲間です。
もしこれが調査でなかったら、ナナホシテントウだと思って見過ごしていたことでしょう。
ここまでテントウムシカラーに似せてきているのは、以前にも書いたとおり、天敵の小鳥が
テントウムシを食べないことを利用して、テントウムシのフリをしているからです。
ハチのフリをするカミキリムシやホタルのフリをするアカハネムシなども同じ理由からで、
こうした“なりすまし”のことを「ベイツ型擬態」と呼びます。恐るべし、自然の神秘!
近くの草に止まっていたイタドリハムシです。こちらもテントウムシのフリでしょうか?
それにしても、人間社会では“なりすまし詐欺”や“替え玉受験”など、他人のフリをする
ことなど、あってはならない行為ばかりなわけですが、昆虫の場合はこれが当たり前。
他人のフリなくして、生き延びられない種類が無数に存在しているのです。
「鳥の目は騙せても、私の目は騙せないぞ!」
そんなふうに自信を持って言えるくらいの“虫目”を養いたいですね!
おまけ。ハムシたちと同じ場所にいたその他の昆虫です。
左から順に、シモフリコメツキ、ホソオビヒゲナガ、クロハネシロヒゲナガ。