7月30日、午後からは雨模様となりましたが、植物にとっては恵みの雨に違いありません。
姿池周囲の芝地では、早くも希少植物のクロテンツキがたくさん顔を出し始めていました。
丸っこい小穂の先端にぴろぴろしている白いものは柱頭、つまりこれでも花盛りなのです。
クロテンツキと同所的に近縁種のテンツキも群生していますが、見分け方については以前、
記事にまとめてありますのでこちらをご参照下さい。雑草の見分け方④ (h-yugi.org)
ところで、灌漑用に整備された築池の下流には、かつては水田(棚田)が連なっていました。
水田は住宅開発によって埋め立てられ、今、その面影は全くありません。クロテンツキの
ように、本来は水田の畔などに生える湿生植物たちは、ひょっとしたら水田のあった当時の
生き残りなのかもしれません。雑草的に生える彼らを大切に見守っていきたいものです。
そのそばでは、アキマルニワゼキショウ(ニワゼキショウ×オオニワゼキショウ)の残り花も
見られました。雑種なのでうまく実を結ぶことができず、写真のように棒状の花柄だけが
ツンツン残されているのが特徴です。ちょっと異様な光景なのですぐにそれとわかります。
シソ科でもっとも身近な雑草の一つであるトウバナが咲き始めていたり、草地性昆虫の
ショウリョウバッタモドキが発生していたりと、着実に季節が進んでいくのを感じますね。
さて、この日の午前中は、長池公園で「多摩丘陵里山情報連絡会」が開催されました。
都立公園など近隣の公園関係者や緑地保全に関わるボランティアグループなどが参加し、
現地見学や交流を行う集まりです。酷暑にもかかわらず、40名近い参加がありました。
今回は、長池公園の各種取り組みについて、解説とご案内を担当させていただきました。
じっくり交流する余裕がなくて残念でしたが、皆さん、熱心に耳を傾けて下さりました。
今後も、他の公園や施設との交流、視察の機会を積極的につくっていきたいと思います。